悪酔い(二日酔い)対策に効果的な野菜は…もじゃもじゃ緑の細長い●●●
ブロッコリースプラウトは、ビタミンA・C・Eや鉄分などが豊富なのが特徴。それに加え、スルフォラファンという、解毒酵素や抗酸化成分の活性化を高める作用があるとされる成分も多く含まれる。スルフォラファンは、植物性食品に含まれる成分によるガン予防の第一人者である、米国のJohns Hopkins医科大学のPaul Talalay教授によって発見された。
ブロッコリーのスプラウト以外にも、カリフラワーやキャベツ、かいわれ大根などにも似た成分を含むものがある。ハムで巻いたり、他の野菜やドレッシングと和えてサラダにしたり、納豆にあえたりなど、簡単な調理でおいしいレシピが作れるのも利点だ。
では、われわれがお酒を飲む際、スルフォラファンは、どのような働きを体内で行っているのだろうか。
体内に吸収されたアルコールは、代謝の過程で有害物質「アセトアルデヒド」という分解物が生み出し、これが吐き気や頭痛を伴う悪酔いの原因となっている。通常であればALDHという酵素によって無毒化され、スルフォラファンには、このALDHを活性化させる働きがあるという。つまり、悪酔いを水際で防ぐ働きをするのがスルフォラファンというわけだ。
ただ、近年は体に本来備わっている無毒化のメカニズムだけでは追いつかないほどの、過剰飲酒をする人が多くなってきている。2011年の日本人間ドック学会の報告では、「肝機能異常」が、生活習慣病関連項目の異常頻度では最も多い数値(33.3%)となっている。
脂肪肝や肝硬変といったさまざまな肝臓トラブルは、ALDHの働きが追いつかないほどのアセトアルデヒドが体内に蓄積され続けた結果、引き起こされる例もある。
それらの肝臓トラブルを未然に防ぐためにも、アセトアルデヒドの代謝を促進する作用を持つスルフォラファンを適切に摂取することで、肝臓をケアする必要があるというわけだ。スルフォラファンの機能性に関する最新研究は米国などで積極的に行われている。最近では、カゴメとJohns Hopkins医科大学との共同研究が、7月3日付けのAlcohol and Alcoholismの電子版にて発表された。
研究者たちは、スルフォラファンを含む餌を与えたマウスと、含まない餌を与えたマウスにアルコール溶液を飲ませ、その血中アセトアルデヒド濃度を測定した。すると、血中アセトアルデヒド濃度の数値は、スルフォラファン摂取群が、非摂取群に比べて約30%低く、また、濃度が半減するまでに要した時間も、スルフォラファン摂取群は半分ほどだったという。
飲酒時の強~い味方となってくれることが明らかになったスルフォラファンは、最近ではスーパーなどの小売店でも販売されているほか、サプリメントとしても販売されている。これから何かとお酒を飲む回数が多くなるシーズン。
つらい悪酔いや二日酔いになる前に、一度試してみてはいかがだろうか。
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