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【人生相談】還暦の父がブレーキを5回点滅、アイシテルのサインを送ってくる

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【人生相談】還暦の父がブレーキを5回点滅、アイシテルのサインを送ってくる
家族や恋愛、お金や仕事など、日常における悩みは多いもの。ここでは、心理学者の平松隆円さんがマイナビニュースのQ&Aコーナーに寄せられた悩みにお答えします。

今回のお悩みタイトルは、「還暦の父がブレーキランプを5回点滅させてアイシテルのサインを送ってきます」です。

■質問

転職してかなり年収があがったので、父が欲しがっていた車をプレゼントしました。 実家と僕の家はかなり近いので、よく父が遊びに来てくれるのですが、その際かならずブレーキランプを5回点滅させてアイシテルのサインを送ってきます。 正直もうかなり恥ずかしいです。ご近所さんとかに見られてます。「○○さん(僕)の彼女さんが乗っているのかと思ったら、車から出てきたのは初老の男性でびっくりしました(笑)」とおちょくられます。
昔、僕の母親とケンカの仲直りの際によくやっていたようです。 でもさすがに恥ずかしいので、なんかおしゃれな懐中電灯とかを持たせてそれでやってもらおうと思います。 ある程度、値段が高めのもので丈夫で長持ちしそうな懐中電灯があったら教えてください。

⇒この質問にアドバイスをする場合はこちらから。

■回答

お父様の好きなようにやらせてあげよう!そして自分もやってみよう!

ブレーキランプ5回点滅させる、ア・イ・シ・テ・ルのサイン。20年以上前のドリ(Dreams Comes True)の歌詞、懐かしいです。お父様は、じつはドリカムのファンだったんですね。なかなか、自動車で綺麗にブレーキランプを5回点滅させるのは難しいと思うので、「親父、スゲー」とほめてあげても良さそうなもんです。
お父様、息子に自動車を買ってもらったのがよほど、嬉しかったのでしょうね。

さて、 その ブレーキランプを5回点滅させているお父様を、 ご近所さんに見られかなり恥ずかしいということですが、これはお父様の好きなようにやらせてあげるのがいいと思います。もちろん、恥ずかしい気持ちはわかります。自分の父親なら、縁を切るかも知れません。ですが、おそらく息子の家でやっているくらいなのですから、自宅でお母様にもやっていることでしょう。すでに、お父様の行動は世間に知れ渡っています。今さら止めても手遅れです。

ところで、ブレーキランプを5回点滅させるという行動、恋愛心理学では重要な意味をもっています。
というのも、恋人など親密な二者関係には、その当事者にしかわからない特有のコミュニケーション方法をもっているとされています。その方法を使うことで、二人は特別な関係だと認識したり、コミュニケーションを促進させたりするんです。つまり、ドリカムの歌詞にある、「ブレーキランプ5回点滅させる、ア・イ・シ・テ・ルのサイン」は恋愛心理学的にも裏付けされている恋人の行動なんですね。

そんな、行動を「恥ずかしいからやめてくれ」とお父様に言ったりしたら、言葉では上手く伝えられない家族への愛や感謝といった気持ちを伝えることを拒否されたと感じることにつながります。また、ブレーキランプだから意味があるのであり、これを懐中電灯にしてくれといっても行動の代替にはなりません。

そこで、提案なのですが、どうしても ブレーキランプを5回点滅させるのだけは止めさせたいというのであれば、あなたがお父様に対しておこなう特有のコミュニケ—ション方法を決めてるといいかもしれませんね。それを、あなたがお父様に対して実行すれば、あなたとお父様のあいだでの特有のコミュニケ—ション方法となり、お互いの気持ちを伝え合うことになります。もともと、ブレーキランプを5回点滅させるのはお父様とお母様のあいだでの特有のコミュニケ—ション方法だったわけですから、それは夫婦二人のあいだだけでおこなわれるようになり、あなたとのあいだでは新しい特有のコミュニケ—ション方法がおこなわれるようになるはずです。


このときに新しい特有のコミュニケ—ション方法は、ご近所さんに気づかれないような、もし気づかれたとしても恥ずかしくないようなものを選べば良いのではないでしょうか。

(イラスト: のでこ)

平松隆円…化粧心理学者 / 大学教員

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響を呼んだ。
ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。

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