【雑学キング!】夜中書いた文章は妙にテンションが高くなる。その謎に迫ってみた
例えばラブレター。
「太陽と見まがうほどの輝きを放つ君。その光が世界を照らすときも、光り続けることに疲れてしまったときも、僕はそばにいて君の心のともしびとなりたい」
このような、やり場のない情熱をぶつけた恋文をしたためてしまうとき、それは決まって夜中です。
例えばエントリーシート。
「御社の、生きとし生けるものすべてを大事にし、社員全員が一丸となってお客さまと向かい合う、その経営方針に心より引かれました。御社の仕事、社風、そのすべてに、自分の人生をささげたい思いを強くしました。御社の……」
このように、エントリーシート(履歴書)で鼻息も荒く「御社!御社!」と語ってしまうとき、それはやはり夜中なのです。
感情の高ぶりゆえに、文章のテンションが異様に高くなってしまう夜中の執筆。
翌朝読み返すと、恥ずかしさを通り越してえもいわれぬ気持ちになります。
夜中には、テンションを上げる何らかの脳内物質が分泌されているに違いない!!そう仮説を立て、フンガフンガと鼻息も荒く検証に取りかかりました(フガフガ)。
今回お話を伺ったのは、脳科学者の米山公啓先生です。
――先生!(鼻息)ブログやエントリーシート等、夜中に書いた文章はどうもテンションが高くなりがちです。これはどうしてなのでしょうか?夜中にテンションを上げる脳内分泌物質が出ていたりするのですか?
「いやー、特別に夜間興奮度が高まるという事実はありませんね」
――(そんな!)じゃあ、夜中にテンションを上げる物質は、脳内で分泌されていないのですか?
「こういった都市伝説のようなものに、科学的に答えるのは難しいです。強いて言えば、自分で文章を書いていくうちに次第にアドレナリンが出て、テンションが上がっていくというのはあると思いますが。アドレナリンは基本的には昼間に増えますが、状況によっては夜も増え、集中できるというだけです」
――もともと根拠のない予測だけで立てた仮説だったもので、すみません(汗)。状況によってと言いますと?
「夜間に集中力が上がるとすれば、ほかのことに気を取られることなく、集中できるからでしょう。
また集中力はいかに“やっていることが面白いかどうか”にも左右されます。作業を楽しめているときにはドーパミンも出ているので、ますますテンションが上がっていきます」
静かな夜中→集中できる(アドレナリン)→作業がはかどって楽しい(アドレナリン+ドーパミン)→テンションが上がる→文章のテンションも上がる、という仕組みだったのですね(上記に記載されている通り、しっかりとした科学的根拠があるわけではありません)。
夜中には魔物がすむ、とは数ある小説や絵本で使い古された言い回しですが、間違いなく夜中に文章を書くという行為は、危険をはらんでいます。いくらはかどるからといって、朝、冷静になってから読み返し、赤面する事態は避けたいものです。「交感神経を刺激しないこと。つまりドキドキするようなドラマを見ないとか、怒りたくなるような相手と会話しないとか。そうやってテンションを上げず、リラックスできるようにするしかないでしょう。そもそも、大事なのは夜仕事をしないことです」と米山先生。
うう、善処します。(只今の時刻、AM 3:12)
(朝井麻由美/プレスラボ)
【関連リンク】
今日、私は「コブス」としか言いません
このテンションには脱帽です。
米山公啓先生のホームページ
今回お話をいただいた先生のホームページ。「よねよね倶楽部」なるファンクラブもあります。
夜中にしか開かないパン屋があった!
ハイテンションでパンを売る!かどうかは定かではない。