【雑学キング!】ちまたにあふれる情報はどこまで本当? スッキリ起きられる方法決定版
飲み会で遅くなった次の日はいつも起きるのが辛い。休暇で生活リズムがズレて、出勤日に朝起きれない……。
睡眠の悩みは尽きることがありません。こうして苦しむ人がいる一方、短い睡眠時間でもケロリと起きられる人もいます。そんなうらやましい人を横目に、寝起きの悪い人種は今日も一生懸命布団からはいだすのです。
この不公平さときたら!1.5時間単位で計算して起きるとスッキリ目覚めるだの、睡眠は3時間でじゅうぶんだの諸説ありますが、どれも納得した試しはありません。
こんな睡眠負け組のままでいいのだろうか、いや、よくない。明日の快眠を夢見て、世にはびこっている睡眠の謎について調べてきました。
今回お話を伺ったのは日本睡眠学会認定医の阪野勝久先生です。
――先生、人によってちょうどいい睡眠時間の長さが違うのはなぜでしょう?起きるのに苦しんでいるそばで、隣のあの子はいつもスッキリ目覚めているんですよ。
「個人差がありますが、基本的に成人では7~9時間が必要な睡眠時間と言われています。ですが、ロングスリーパー(睡眠が10時間以上必要)、ショートスリーパー(睡眠が5時間以下でも支障がない)という体質をもつ人もいますね。ただ、この体質の原因は分かっていません。遺伝かどうかも現在のところ不明です」
――そういえば最近"ロングスリーパー"、"ショートスリーパー"の話はよく聞きます。ということは、ときどき「睡眠時間は3時間でいい」などと書かれている本がありますが、これはすべての人に当てはまるわけではないのですね?
「そうですね。睡眠時間が3時間で問題ないと主張する方もいますが、科学的に証明されたものではなく、誤解を与える主張だと思います」
――なるほど。
ほかによく聞く話と言えば、1.5時間単位で起きるとスッキリ目覚められるという話ですが。
「1.5時間の周期は平均値ですので、その周期は人によって異なります。ですから、自分の感覚で何時間寝た時がすっきり起きられるかを把握するほうがいいですよ」
――そうだったのですか。どうりで1.5時間周期で起きようとしても、いまいちスッキリ起きられなかったわけです。自分に合った周期を知るには、どうすればいいのでしょうか?
「一番の方法は睡眠日誌をつけることです。寝る時間と起きる時間を毎日記録して、睡眠時間を計算するのです。起床時の印象も書いておくと良いですね。こうやって、起きたときのスッキリ感が一番良い時間を調べると、自分のちょうどいいリズムがだんだん分かってきますよ」
やっぱりそうなりますよね。
ズボラな私はそんな毎日日誌をつけられる自信がまったくありません。そもそも睡眠時間が短くても大丈夫な体質(ショートスリーパー)になれば、万事解決なのでは?と横着な考えを先生にぶつけてみたところ、「ショートスリーパーになる方法は、現在のところありません。ちなみに、つい最近アメリカで分かったことなのですが、短い睡眠でも健康でいられる人は、体内時計に関する遺伝子が変異しているそうですよ」だとのこと。
遺伝子レベルでの話になっては、まったく太刀打ちできません。やはり、マメに日誌をつけるしかないのでしょうか。えーん、ドラ○も~ん!!(泣)早く22世紀にならないかなぁ……。
(朝井麻由美/プレスラボ)
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阪野勝久先生がドクターと勤務されている診療所。
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