【エンタメCOBS】垢太郎、たにし長者……。シュールな名作(迷作)昔話たち
「桃太郎」・「さるかに合戦」など、昔話や民話には有名で分かりやすい名作がたくさんありますよね。今回はそういった名作とは真逆の、あまり知られていなくてなんだかよく分からない「迷作」昔話を2つご紹介します。昔の人のおかしな発想力、ご堪能あれ!
(Photo by MShades)
■垢太郎
最初にご紹介するのは、「垢太郎」というお話。
あるところに、貧しい老夫婦が居ました。夫婦の貧しさは相当なもので、もう何年もお風呂に入っていません。子供ができなかった夫婦は寂しさを紛らわすため、自分たちの体から出た垢を固めて人形にすることを思いつきました。
いきなり面食らう出だしです。「子供ができないから垢で人形を作る」という発想。
お話ではおじいさんが提案したことになっているんですが、なぜおばあさんはこれを止めてくれなかったんでしょうか。ノリノリだったんでしょうか。
しばらくすると、垢人形には命が宿り、立派な人間の子供になります。思いがけない子宝に大喜びした夫婦は、この子供に「垢太郎」という名前をつけました。
人間になった理由は特に語られません。垢の塊がサラッと生命活動を開始します。そして老夫婦、心待ちにしていたはずの我が息子に、「垢太郎」