【コブスくんの使えそうな仕事術】「今、何時ですか?」は英訳すると!? 教科書英語の間違いに注意!
■Q.「今、何時ですか?」は「What time is it now?」ではない!
「今、何時ですか?」を英訳しろと言われたら、あなたはなんと答えますか?多くの日本人は「What time is it now?」と答えるのではないでしょうか。もしくは、「掘った芋いじるな」(知らない人は調べてね)。ところがこれ、ネイティブからすると「何度か時刻を聞いた後でふたたび尋ねるときの聞き方」で、初めて時間を聞く際にはふさわしくないのだとか。ええっ!それでは何て言えばいいんでしょう?
■A.自然な言い方は「Do you have the time?」なのだそう。
分かりましたか?英語に弱い私にとっては、「What time is it now?」でないことが、大変な衝撃です。なんでいきなりこんな話をしているのかというと、『その英語、ネイティブにはこう聞こえます (単行本)』(主婦の友社)を読んだため。こちらの本には、日本人が間違えがちな英会話の例がズラッと紹介されています。驚くのは、間違った英会話の例として、「What time is it now?」のように、義務教育で覚えた英文がいくつも挙げられていること。
著者のデイビッド・セインさんは「日本で英語を教え始めたころ、文法を熱心に勉強されている生徒さんが多く、とても感心しました。しかし同時に、文法を気にしすぎて不自然な英語になってしまっていることにも気付きました」といいます。外国人が日本語を話す場合でも、「文法は合っているけれど、違和感のある表現」ってありますよね。違和感があるくらいならいいけれど、中には意味が変わってしまったり、失礼な意味になってしまうこともあるから注意が必要だそう。このような例をセインさんに聞いてみました。
■企業の受付で「Please sit down.」?
セインさんは昔、とある企業の受付で「Please sit down.」と言われたそうです。これは実は大人が子どもに諭すときに使うような言葉なのだとか。日本語に訳すと「ほら、うろうろしないで座って」といったと意味だとか(正しくはHave a seat, pleaseなど)。
『いすにおかけになってお待ちください』という意味だとわかりつつもオロオロしてしまいました」(セインさん)
■「店に行く」と言いたい場合は……
「I’m going to the store.」が一番自然。「I will go to the store.」だと、「絶対に私はお店に行く!」の意味。「I’ll go to the store.」だと、「お店に行くことを“今”決めた」というニュアンスも。「どの英文も間違いではありませんがニュアンスが違います。すべて同じ意味として教えるのは疑問ですね」(セインさん)
■日本人が英語を覚える上で一番難しいのは?
日本人が英語を覚える上で、一番難しいのは「日本語にはたくさんの表現があること」と話すセインさん。特に動詞は、多彩な言葉があるために、逆にひとつの言葉がたくさんの意味を持つことの多い英語の特徴を理解しにくいのでは、とのこと。例えば、「シャワーを浴びる」の「浴びる」を英語では「take」で表しますが、「take」の意味を「(手で)取る」と最初に覚えてしまうと、「浴びる」はイメージしにくいのかもしれません。
冒頭の“Do you have the time?”や“Do you have time?”も直訳してしまうと「あなたは時間を持っていますか?」。
まず、「ひとつの単語がいろいろな場面で使われる」ことを感覚的に覚えることが、自然な英語を身につけるのに必要なことのひとつなんですね。
セインさんによれば、最近では英語の教科書も、だいぶ改善されてきたのだとか。10年前の教科書と今の教科書を見比べてみるのも、結構面白いかもしれません。
(小川たまか/プレスラボ)
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