猫はいいですね。あのひょうひょうとしたたたずまいといい、無駄のないフォームといい、そして時にはベッタリと甘えを見せつつ、ポーンと突き放すような気まぐれさもあって、常に自由奔放のゴーマイウェイ。それが人間の男だったら、容姿端麗で、運動神経抜群で、なおかつちょっとスカしたところもあって、女性を魅了してやまないクールガイなのではなかろうかと、僕は内心、彼らをどこかで見習いたい気持ちすら持っているのだ。
しかし、そんな猫ちゃんのことでどうにも気になっていることがある。それは家猫でなく、野良猫のこと。そう、考えてもみてほしい。季節は冬である。木枯らしが吹き荒れる、寒い冬である。
彼らはどのようにして日々を過ごしているのか。寒くはないのか。辛くはないのか。「飼い主のいない猫」の問題に取り組む「東京都福祉保険局」にお話を聞いた。(photo by matsumur)
――冬の野良猫はいったいどこにいるのですか?
「多くは民家の軒下やダンボールのすき間など、雨風をしのげる所にいるのではないでしょうか。また、比較的暖かいエアコンの室外機の上や、保温性の高い発泡スチロールの中、そのほか、枯れ葉の中に埋もれるように潜んでいたというケースも聞いたことがあります。