【コブスくんのモテ男道!】地震で自宅に帰れない 安全な帰宅行動とは!?
東北地方太平洋沖地震が起こった3月11日の夜、「東京都と警視庁のまとめを集計すると、帰宅できずに施設で一夜を明かした東京都内の帰宅困難者は12万人以上にのぼった」と報道されました(共同通信)。
とはいえ、徒歩で帰宅しようとすると、歩道が満員電車状態、道路は車の渋滞と危険な状況です。さらには、余震の影響で物が落下しけがをしてしまう、火災に巻き込まれてしまうという可能性もなくはありません。
そこで、内閣府が発行している『震災時の帰宅行動、そのときあなたはどうする?』(http://bousai.go.jp/jishin/chubou/taisaku_syuto/pdf/101110/101110.pdf)にもとづき、「事前にできること」、「震災が起きたとき」、「帰宅する場合の注意」についてお伝えします。
■事前にできること
・職場や避難所に1泊以上を想定する
人の平均的な歩行速度は時速4~5キロメートルです。仮に10キロメートルを歩く場合、スムーズに支障なくいけたとしても、2時間あまりかかります。震災のときに、実際に約20キロメートルを徒歩で帰宅した人は、「道路の寸断、建物の倒壊、余震、緊張感などでいつもの2倍の時間がかかった」といいます。このような事態を想定しておく必要があります。
そこで、大地震で交通機関が途絶えたとき、自宅が職場や学校から遠く離れている場合には、職場や学校に1泊以上とどまり、翌日以降に徒歩で帰宅をすることを想定しておきましょう。「『翌日帰宅』は、大量の人が徒歩で帰宅をすることによる混乱を抑えるのに大変効果的な方法です」と複数の政府関係機関がすすめています。
また、事前に、職場や学校に1泊以上できるための食料、飲料水などがあるかを確認し、また、それらは自分でも災害時に備えて用意しておきましょう。電池式の携帯電話用充電器も備蓄します。
さらに、安全なスペース、たとえば会議室、応接室、教室、仮眠室、ホールで眠れそうかどうかも確認しておくとよいでしょう。
・徒歩帰宅を想定して地図をつくっておく
今回の東北地方太平洋沖地震の場合、家と会社・学校までの道のりが分からないという人も多くいました。可能であれば、一度地図を片手に歩いてみましょう。その過程で発見した休憩ポイント、トイレなどを書き加えた「お手製の徒歩帰宅マップ」をつくっておくと、いざというときの貴重な情報となりますし、精神的にも安心です。
ただ、災害時は道路や建物などに支障が起きている場合があります。それに備えて、2~3パターンの帰路マップがあるとさらに心強いでしょう。また、職場には、スニーカーなど歩きやすい靴を置いておくこともおすすめします。
・家族と安否確認の方法を決めておく
災害用伝言ダイヤル171、携帯電話各社提供の災害伝言板サービスなど、安否確認の手段をあらかじめ家族で決めておくことも重要です。家族が無事であることが分かれば、いざというときも慌てる必要はありません。
■実際に震災が起きたとき
自分の身の安全を確保することが第一です。身の安全を確保したらすぐに、決めておいた安否確認手段で家族と連絡をとります。自分が大丈夫であると伝えることで家族も安心し、その後の行動について考えを巡らせることもできるでしょう。
帰宅にあたっては、事前に考えておいた「災害下の状況で自宅まで徒歩で帰ることができるのか」、「1泊するのか」を判断しましょう。
また、東北地方太平洋沖地震では、「富士山が噴火する」、「夜中に関東に大きな地震がある」など根拠のない話も出回りました。まずは確かな情報の入手を心がけましょう。
■帰宅する場合の注意
・事前準備をフル活用
事前につくっておいた徒歩帰宅マップをもとに帰宅しますが、会社以外の場所にいるなど想定していなかった事態もありえます。もし、そういう場合でも、道順や休憩ポイントなどをあらかじめ確認してから行動しましょう。
また、余震のおそれも大いにあります。できるだけ周囲の人と声を掛け合って同じ方面の人とともに行動するほうが安全です。
このとき、家族と事前に決めておいた安否確認の方法で「会社から家まで、決めておいた道を歩いて帰る」、「違う場所にいるが、こういう道順で歩くことにする」など、大まかにでもいいので、帰路を伝えておきましょう。
・都心のトイレ不足は深刻
都心から放射状に広がる幹線道路では、大量の徒歩帰宅者のため、情報・食料・水・トイレなどの不足が見込まれます。特に、トイレは大幅に不足する可能性があり、地震発生後6時間までの都心の充足率は50%未満、断水になるとさらに深刻な事態が予測されています。出発する前や、行けるときは必ずトイレに行くようにしてください。
最後に、「徒歩帰宅グッズ」として、「歩きやすい靴」、「ぺットボトル飲料水(水筒)」、「チョコ・キャラメル等(携帯食料)」、「リュックサック」、「地図(帰宅マップ)」に加え、「携帯トイレ」などのリストが、この内閣府のパンフレットに掲載されています。ぜひ、一読してみて万全の対策をしておきましょう。
参照:内閣府『震災時の帰宅行動、そのときあなたはどうする?』
http://bousai.go.jp/jishin/chubou/taisaku_syuto/pdf/101110/101110.pdf
(朝日奈ゆか/ユンブル)
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