【コブスくんのモテ男道!】災害などで取り残されたらどうする? サバイバルの方法
登山家やアウトドアを楽しむ人々は、日ごろから自然と向き合っているだけに、災害時にも代用品などを使いながら状況を打破する術を知っています。彼らの知恵を借りて、災害や遭難、事故時などの対応策を考えてみましょう。
過去の山岳遭難事故を考察しながら対処法や予防法を考えるウェブサイト「登山者はこうして遭難する~山岳遭難事例から学ぶ山の安全対策」(http://middleagetozan.com/200-1/000/)、「アウトドアに役立つ200のサバイバル術」(http://www.outdoor-skill.com)を参考に、緊急度別に三つのレベルにまとめました。
■レベル1取り残された場所で救助を待つ
例えば、災害などで遭難した場合の過ごし方を考えます。前述の「登山者はこうして遭難する」によれば、遭難したときの心得大原則は「パニックにならない」、「あきらめない」、「体力の温存」とのことですが、これは災害でどこかに取り残された場合にも同様のことが言えそうです。
必ず救助がくることを信じ、ヘリコプターから発見されやすいような見晴らしのよい高い位置で待機しましょう。服装は、持っている服の中からできるだけ派手な色のものを着用し、時計のガラス・メガネなどを太陽光に向けてキラキラと反射させ、居場所を知らせることが有効です。
また、体力をできるだけ温存させることが必要です。
動き過ぎて体力を消耗することや、汗をかいて体内の水分が不足しないように注意します。体力低下を防ぐため、出血などの外傷がある場合にはすばやく手当てをしましょう。
止血の方法として、渋谷区のホームページ「救出救助と応急救護」(http://www.city.shibuya.tokyo.jp/anzen/bosai/hasai/kyusyutu.html)には、基本は「直接圧迫止血」を施します。布をたくさん集め、出血しているところに布を当てて強く押さえる方法です。出血が止まらなければ、さらに上から布を当てて圧迫を続けます。
■レベル2数日間を自力で乗り越える
災害や遭難によって屋外で数日間を自力で過ごさねばならない場合、いちばんに考えるべきことは水の確保です。水は最低でも一人につき一日で2リットルが必要です。川の水や雨水を沸騰させて飲む方法が一般的ですが、周りに川がないときや雨が降らない場合には、朝露を集めるという方法があります。
朝露は、夜間に気温が下がって空気中の蒸気が水滴となり、地表付近の物体につくものです。例えば、周りに草むらがあれば、明け方にひざ下に布を巻き、朝露にぬれた草むらを走り回って水を含んだ布を絞る方法があります。
また、竹林が周りにある、4月から5月頃という条件が重なっていれば、その時期に大量の水を根から吸い上げる竹から、効果的に水を確保することが可能です。5メートルほどに成長した若竹を1メートルほどの高さで切り、ビニールをかぶせて一晩置きます。すると竹の節と節の間にたまっていた水が出てくるので、それを採取して水を集めます。
さらに可能であれば、いずれの場合も、水は消毒してから飲むようにしましょう(サバイバル時にそうも言っていられませんが)。厚生労働省検疫所が発展途上国の水を消毒する方法を紹介している「飲料水の簡単な消毒法」(http://www.forth.go.jp/archive/tourist/useful/04_water.html)によると、
「沸騰してからさらに10分が経過すると、ほとんどの病原微生物を殺すことができる」
とあります。また、もしも塩素剤が手元にあれば、濃度1%の塩素剤を10滴~20滴入れ、30分置くことで殺菌効果がみられます。
■レベル3食料がつきてしまったら
食料のストックがなくなったら、あるいは、食料がなければ、自分で食べ物を獲得せねばなりません。
近くに川があれば、魚を探してみましょう。静かに川に入り、石や岩の下に隠れている魚を両手で下からつかみ取る方法が簡単です。魚を獲得したら、内臓やエラを取り除き、海水で洗って干せば長持ちします。
山や森の近くであれば、木の実を探します。クルミは水につけて果皮をやわらかくして取り除き、殻を割って中の実を生のまま食べます。アケビは中の実をそのまま、木イチゴ、ヤマブドウはそのまま食べることができます。木の実は森の動物の栄養源であり、人間にとっても栄養的に優れていることが知られています。
もしも火がおこせる状況なら、ふきのとうやワラビ、つくしなどの山菜は手軽で安全に食べられます。
ふきのとうは外側の葉を取り除き、5分ほど煮てから24時間ほど水に浸しておけばアクが抜けます。ワラビは、沸騰したお湯の中に灰を一握り入れて火を止めた水の中に一晩浸すと、アクが抜けて食べることができます。つくしは、茎の途中にあるハカマを取り除き、15分ほどゆでれば柔らかくなります。
■緊急時に役立つ豆知識
最後に救助を待つ際に役に立つ豆知識を二つご紹介しましょう。
まずはトイレのマナー。トイレがなくて外で済まさねばならないときは、排せつ物がバクテリアに分解されやすいように、面倒でも穴を掘りましょう。深さ20センチメートルほどの穴になれば十分です。
川や湖などに大量の排せつ物が流れ込むと水が汚染され、重要な水源が確保されなくなるので周囲の人と協力し合ってルールを決めるとよいでしょう。
次に、電気やガスが供給されないときに活躍する空き缶での調理です。財団法人市民防災研究所(http://www.sbk.or.jp/)は、空き缶、アルミホイル、ティッシュペーパー、食用油を使用したコンロの作り方を公開しています。
ティッシュペーパーをこよって作った芯を、アルミホイルで空き缶内に固定し、油を注ぐというシンプルなもの。明かりにもなり、この缶の上にさらにもう一つ米と水の入った缶をのせればご飯を炊くことができます。
これらの方法を少しでも知っておけば、何かあった際、精神的な支えにもなります。「いつか必ず助けが来る」という気持ちを持ち続け、今できることを実行しながら待つことが未来を切り開く鍵となるはずです。
(蘭景/ユンブル)
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