【コブスくんのモテ男道!】睡眠直前の熱風呂はNG。内科医が教える生体リズムとは?
仕事で忙しい日が続くと、疲れがとれなかったり、夜眠れなかったり。女性は肌荒れが気になるなど、美容面も不調になるという人が多いのではないでしょうか。これらの原因の一つは、最近注目されている「生体リズムの乱れ」が原因かもしれません。
いったい、生体リズムとは何なのでしょうか。また、それを整えるためにはどうすればいいのでしょうか。大阪府内科医会副会長で内科医・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生にお話をうかがいました。
■自律神経のバランスが重要
「生体リズムとは、われわれの体に自然に備わっている、生きるために必要な周期的活動のことです。
体の機能は、周期的に活動を繰り返しています。
心臓の動きや呼吸、脳波は秒単位で、睡眠と覚醒(かくせい)は1日単位で、女性の月経は1カ月単位で、季節環境による肌などの体の変化は1年周期で動いています」(泉岡先生)。
そして、これらの活動は、「自律神経のバランスによって正常に機能している」のだとか。泉岡先生は、次のように続けます。
「自律神経には戦闘モードのときに働く交感神経と、リラックスモードのときに働く副交感神経があります。
疲労やストレス、あるいは、夜更かしや暴飲暴食などで生体リズムが乱れるとこの二つの神経のバランスが崩れてしまうんです。その結果、不眠や便秘、胃痛、頭痛、肌荒れなど、体調不良のサインが現れます」
次から、生体リズムが関わっている具体的な症状をみていきましょう。
■女性は月経前に不調になりやすい
「女性の場合、月経前になると精神的にイライラしたり、疲れやすくなったり、おなかが痛む、肌が荒れるなどの症状が現れる人が多いようです。が、これらの症状が現れる時期やその重さには個人差があります。
少しでも症状を軽くするためには、季節や年齢、そのときどきの仕事の環境などによって変化する自分の体調のリズムを知って、睡眠や食事などに注意するなど自分でケアしていくことを心がけてください」と泉岡先生はアドバイスします。
■夜型の生活は、生体リズムを乱す
「昔は朝日とともに起床し、日暮れとともに寝るような生活をしていました。それでこそ、生きもの本来の力、自然に備わった『体が時間リズムを感知する=体内時計』が発揮されるのでしょう。ところが文明が発達し電気が発明されて、本来ならば副交感神経が働いてリラックスするはずの夜に仕事をする人も多くなりました」と泉岡先生。
「朝も夜も蛍光灯で明るいオフィスに身を置き、家ではテレビやパソコンの影響で24時間仕事やゲーム、買い物ができるようになるなど、人工的な環境で過ごすようになったことも、生体リズムが乱れるようになった一因」(泉岡先生)だとか。
「また、人間の体温も1日でリズムがあります。夜には体温が下がりはじめ、早朝が一番低くなり、その後、昼から夕方にかけて高くなります。夜は体が睡眠への準備をしはじめて、体温が下がるわけです。
睡眠直前に熱いお風呂に入ると交感神経が刺激されて体の準備と逆行するので、ぬるめのお湯につかり、ほてりが冷めたころ布団に入るのがぐっすり眠るコツです」(泉岡先生)
■夜はテレビやパソコンを消してリラックス
「夜は、副交感神経が働くようにリラックスすることが大切です。可能ならば間接照明にして部屋の電気を暗めにし、クラッシック音楽を聞いたり読書をするなどしてゆったりと過ごしましょう。テレビやパソコン画面の光は交感神経を刺激してしまうので、寝る直前は控えるようにします」(泉岡先生)
■夜に乳製品を食べると眠りを誘う
「乳製品を夜にとると健康上に効果があるということをご存じですか。まず、睡眠を誘うメラトニンというホルモンが出やすくなるんです。ですから夜寝る前に牛乳を飲むなど、乳製品をとるのもおすすめです。
また、寝ている間は胃酸の分泌が活発になるため、忙しい日が続いたりストレスを感じたりしているときは、朝起きたら胃が痛むということがあります。牛乳を飲むと胃の粘膜を保護することになり、胃が荒れないように予防をすることもできます」(泉岡先生)
■朝に、太陽の光を浴びる
生体リズムを整えるには、朝の過ごし方が大切です。
「できるだけ朝型の生活を心がけましょう。
起きたときには窓を開けて部屋の空気の入れ替えをしながら、太陽の光をたくさん浴びてください。朝に光を浴びると、交感神経を刺激して生体リズムのズレをリセットします。
よく、朝に2,500ルクス以上の光(朝、窓から太陽が差し込んだ部屋の明るさ程度)を浴びるとよいなどと言われますが、数字や光の程度にこだわる必要はありません。朝に光を浴びる。それだけで、自律神経の働きは活発化します。
また、カフェインを飲むと交感神経が刺激されるので、コーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物をとるのもよいですね」と泉岡先生。
■朝食をしっかり食べ、夜は少なく
「朝食には、野菜や果物などのビタミン・ミネラル、パンやご飯などの炭水化物と、豆腐、肉、魚などのたんぱく質をとるのが理想です。昼食も丼物などの単品よりも定食を選び、栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。
夕食は就寝の3時間前には食べておきたいものです。睡眠時には副交感神経の働きで食べ物の吸収が促進されるので、寝る直前に食事をすると太る原因になり、また消化にも悪い。
どうしても夕食が遅くなってしまう場合は、3分の1程度を翌日の朝食にまわすようにしましょう」(泉岡先生)
■生体リズムの乱れは肌に現れやすい
「女性は特に、毎朝の支度のときに『今日は化粧のノリが悪いかな?』などと、体調の変化には敏感に気づくのではないでしょうか。肌荒れなどは不調のサインなので、このときに『このごろ不摂生だったな』などと自分の生体リズムを見直して、『2週間は規則正しい生活をする』とケアすると、心身が健全な方向に向かうはずです」(泉岡先生)
生体リズムを整えるためのポイントは、「肌荒れなど疲れのサインを見逃さず、早寝早起きをして朝の光を浴び、栄養バランスのよい朝食をとる。夜と土日は体を動かして休養する」ということ。
生体リズムに注目した商品は、睡眠が浅くなっているタイミングを見計らって起こしてくれるiPhoneアプリ(「Sleep Cycle」)や、生体リズムの理論を熟知した肌の専門家がカウンセリングしてくれる化粧品(カネボウ「トワニー」)や、体内時計の働きを助けるためのサプリメント(「IPNリラクミン」)など数多く出ています。
最近どうも体調が悪いかな?と思ったら、こういった商品を利用して、自分の生体リズムを見直してはいかがでしょうか?
(下関崇子/ユンブル)
監修:泉岡利於氏。内科医、医学博士、大阪府内科医会副会長、医療法人宏久会泉岡医院(大阪市都島区。
http://www.izuoka.com/ )院長、ほか。
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