【コブスくんのモテ男道!】皮膚科医が教える。節電しながら「体感温度-3度」
この夏、気象庁では、熱中症への注意を呼びかけるため、「高温注意情報」の呼びかけを開始するとか。節電を心がけつつも、知恵をふりしぼって少しでもほてった体を冷やしたいものです。
そこで、クーラーや冷たい食べ物ばかりに頼らず、涼しさをキープするためのポイントについて、はざの皮膚科(大阪市都島区)院長のはざの比呂江先生にお話をうかがいました。
■首の後ろに冷却スプレーをかける
――ほてった体を素早く、簡単に冷やすにはどうすればよいのでしょうか。
はざの先生 「手軽なのは、『冷却スプレー』と、『扇子かうちわ』を使う方法です。冷却スプレーを首の後ろ(頚椎・けいつい)にシュッとかけて、扇子やうちわであおぐ。それだけでずいぶん涼しく感じることができます。
真夏などは、全身が熱いと錯覚しがちですが、実は顔がほてっていたり、頭が熱くなっていたりするなど、部分的に熱さを感じている場合が多いのです。
正しい場所を適切に冷やせば、短時間で簡単に冷却効果が得られるでしょう。
首の後ろを冷やすと、瞬間的に体感温度がマイナス3度ぐらいという感覚になります。
冬場はここを温めると全身が温まります。ただし、冷やしすぎ、温め過ぎは健康に害が出ることがあるので、注意してください」
――首の後ろ以外にも、冷やすと効果的な場所はありますか。
はざの先生 「ワキの下、ひじの内側、ひざの裏、足の付け根など、皮膚の上から血管に触れやすいところを冷やすと効果的です。
冷えたペットボトルや保冷剤、冷やしたおしぼりを2~3分、首や首の後ろ、ワキなどにあてるだけでスッと汗がひきます」
■1日1回、汗をかくことを習慣にする
――汗をかかずにいられる方法はないでしょうか。
はざの先生「汗は体温を調節するという役割があるので、汗をかくことは体にとっては良いことです。無理に汗を抑えず、1日1回は思いっきり汗をかくことを習慣にしてください。
これこそが、体温調節機能を活発にして夏場を乗り切るための健康のこつです。
汗をかくことで、アドレナリンというホルモンが分泌され、リラックス効果も得られます。運動や、半身浴などで気持ち良い汗をかけば、気分がリフレッシュできるのもそのためです。辛い食べものを食べて、汗をかくもの良いでしょう」
汗を抑えるのではなく、汗をかいてリフレッシュする――。朝の早い時間や夕方に汗をかいて、シャワーで洗い流して気分をリフレッシュさせるなど、ヘルシーな夏の過ごし方を考えたいものです。
■室内の設定温度は26~27度に
外は暑いのにオフィスや商業施設の中はクーラーが効き過ぎて寒いくらい……、体調を崩してしまう、ということもあります。
――「設定温度は高めに」という話をよく聞きますが、どのようにすればよいのでしょうか。
はざの先生 「自宅やオフィスのクーラーの設定温度は何度になっていますか。
最低温度で風量は最強ということにはなっていませんよね。一度、確認してください。
クーラーをガンガン稼働させたオフィスで、女性がカーディガンを羽織ったり、ひざ掛けをしながら仕事をしていたりする光景を見ることがありますが、あれは不自然な風景です。夏のシーンではありません。仕方がないことはあるでしょうが、解決策として、節電をきっかけに、オフィスの設定温度を上げるべきです。
男性と女性では体感温度が異なります。筋肉量の多い男性は、代謝が良いので暑く感じやすい。室内の設定温度は、26~27度くらいが良いでしょう。
それで暑すぎて仕事に集中できないということはありません。これまで、オフィスの冷房が効きすぎていて、慣れていないだけです。1日1回汗をかいて、体を順応させていってください」
■オフィスには観葉植物を
――そのほかにも暑さを忘れられる方法はありますか。
はざの先生 「室内に観葉植物を置くことも効果的です。観葉植物には、気持ちをリラックスさせる効果があるので、同じ室温でも、観葉植物があるだけで1~2度ほどは涼しく感じることがあります。オフィスには観葉植物を置くことをおすすめします。
クーラーに頼らず、涼しさがキープできれば、疲労感、頭痛、肩こり、腰痛、腹痛、食欲不振、便秘、下痢、不眠などの症状がみられるいわゆる冷房病の予防にもなります。節電に直結して、まさしく一石二鳥の効果があるでしょう」
はざの先生に教えていただいた「涼しさキープ術」は、気軽に取り入れられる内容ですぐにでも始められそうです。
早速、冷却スプレーとうちわの準備、室内の設定温度のチェックから始めたいと思います。
監修:はざの比呂江氏。はざの皮膚科院長。はざの皮膚科は大阪市都島区。JR・京阪電鉄京橋駅徒歩5分。TEL:06-6354-6877
(岩田なつき、井上樹里/ユンブル)
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