【コブスくんのモテ男道!】保険セールスに学ぶ。相手に断られないアポの取り方
仕事相手や気になる相手と会って話をしたいのに、なかなか会う約束ができない。
「今は忙しいから、またの機会に」の一言であっさり断られてしまう。
何度も断られると、そのうちアポイントを取るための電話もかけにくくなって……。
全国各地で保険セールスの研修を行っている保険ビジネス研究所の川崎祐子講師によると、「相手に断られないアポイントの取り方」があるのだとか。
そこで、保険セールスの現場で実際に成功している、「会いたい相手に断られないアポイントの取り方」を教えていただきました。
■「会えない」理由は「忙しい」だけじゃない
川崎さんは、「会えない」理由は、実際に「忙しい」だけではないと言います。
「会うのを断られる理由としては、『本当に忙しくて時間の調整がつかない』だけでなく、『相手が会いたいと思っていない』または『会う必要がない』と思われていることが考えられます。
この場合、何度電話をかけても、時間の調整をしようとしてもうまくいきません。
このようなケースでは、相手が『会ってもいいな』と思うように行動する必要があります」(川崎さん)。
■アポを取りにくい相手には事前準備をする
相手の心を「会ってもいいな」と思ってくれるように動かす行動とは、どのようなものでしょうか。川崎さんは、
「アポイントの電話をかける数日前の事前準備にその仕掛けがある」と言います。
「大切なのは、『会うことは自分にとってメリットがある』と相手に思わせることです。
例えば、相手にとって有益な資料や情報を事前に郵送しておく、あるいは直接会ったときに話そうと思っている内容を箇条書きにしてメールで送るなど、『会ってみたい』、『役に立ちそうだ』と相手に思わせるだけの情報を前もって送るのです。
ここで重要なのが、有益な資料や情報だけでなく、『心をこめたていねいなメッセージ』を添えることです。
どんなに有益な内容でも、情報や資料だけをポンと送るのでは、強引で味気ない印象を与えてしまうこともありますが、心のこもったメッセージが添えられていると、相手の受け取り方も変わってきます。
手紙やメール、資料を送るのはこちらの一方的な行為ですが、あたたかいメッセージを何度か受け取ると、『会うぐらいしないと悪いな』と相手の心が動きます」と川崎さんは話します。
保険セールスでは、最初から相手が「会って話を聞きたい」と思ってくれるケースはまれで、ほとんどが「面倒くさい」、「売り込まれそう」、「できれば会いたくない」と思っているものだとか。
優秀なセールスパーソンは必ず事前準備をしてから、アポイントの電話をかけるそうです。最初は断られていても、何回か重ねると、どんなに忙しい社長や管理職の人でも、アポイントが取れるといいます。
■アポ取りでは「どちらが良いですか?」と聞く
さらに、アポイントを取るときの電話でも、相手から断られないような話し方があると川崎さんは言います。
「アポイントの日時をたずねるときに、『いつが良いですか?』ではなく、『どちらが良いですか?』と聞いてみてください。具体例を挙げて説明しましょう。
・『一度お会いしたいのですが、いつが良いでしょうか?』と聞いた場合
この聞き方では、相手に日時を決めてもらうことになり、『会える(イエス)』か『会えない(ノー)』かを、相手にその場で決めてもらうことにつながります。
もし、相手に『別の用事が入るかもしれない……』、『商談と商談の間だから、時間にあまり余裕がない』などの気持ちが起これば、簡単に『ノー』を選択されてしまいます。
なぜなら、『会うこと』より『会わないこと』を選択するほうが、相手にとって決断するための心の負担が少ないからです。
・『一度お会いしたいのですが、今週がいいですか?それとも来週がいいですか?』と聞いた場合
この聞き方の場合、『会える(イエス)』か『会えない(ノー)』かではなく、『どちらのほうがより都合がいいか』を選んでもらうことになるため、すぐに『ノー』という答えにはつながりません。
もちろん、『今週も、来週も都合が悪い』という選択肢がありますが、その場合は『では、再来週はいかがですか?それとも来月のほうがいいですか?』と続けて聞くことができます。
一般的に、人は二つの選択肢から一つを選ぶほうが答えを出しやすく、それゆえ、すべてを断る結果(ノー)にはなりにくいのです」と川崎さんは説明します。
確かに、多くの選択肢の中からたった一つの答え(日時)を選ぶとなると、迷いも出てきそうですが、提示された二つの選択肢からどちらかを選ぶなら答えやすいような気がします。
■アポ取りでは否定語を肯定語に直す
アポイントを取る際の話し方の工夫は、もう一つあるそうです。
「いつも、あまり意識していないと思いますが、否定語は使わずに肯定語を使って話すようにします。具体例を挙げてみましょう」(川崎さん)。
【否定語を肯定語に直した場合の具体例】
・「一度、会っていただけないでしょうか?」(否定語)
→「一度、会っていただけますか?」(肯定語)
・「ご都合の良い日時を選んでいただけないでしょうか」(否定語)
→「○日か×日の、どちらかご都合の良い方を選んでいただけますか?」(肯定語)
・「少しお時間をいただけないでしょうか?」(否定語)
→「お忙しそうですが、30分ほどお時間をいただけますか?」(肯定語)
「同じようなことを言っているのですが、一般的に、人は否定語を使われると断りやすくなります。
日ごろから意識して肯定語で話すようにしていれば、否定語から断られるケースを減らすことができます」(川崎さん)。
アポイントを取るときの電話では、「A」または「B」の選択方式で日時を確定していくこと。そして、否定語を使わず肯定語で聞くこと。事前準備をしっかりして相手の心が動いていれば、話し方の工夫で会える確率はグンと高まりそうです。
(近藤雪江/ユンブル)
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