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【エンタメCOBS】自分の名前を大人流「楷書(かいしょ)」できれいに書くコツ

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生活のシーンでは届け出や手続きなど、いろいろな提出書類が必要になりますが、そんな時、「文字は『楷書』で記入してください」と、書かれていることがよくあります。日常生活で使う場面が多い楷書。どうするとキレイに書けるのでしょうか?

『大人のきれい字書き方』の通信講座やセミナーを実施されている、今井淑恵先生に教えていただきました。

(以下、今井先生)



まず「楷書」とは、点や画を省略せずくずさないで書く書体のことを言います。このほか、「行書」や「草書」などありますが、普段字を書くときには「行書」が重宝で、実用的な書体と言えます。「行書」は、つづけ字とか、くずし字などの呼び方が分かりやすいかもしれませんね。また、現在では日常生活で「草書」を書く人はごくまれです。

話を楷書に戻しましょう。


自分の名前や住所は、一生をとおして数え切れないほど書くことが多い文字です。回数の多さから言えば、自分の名前は誰よりも自分が上手に書けてあたり前なのですが、反して、「子供っぽくて、なんとも様にならない……」という人が案外多いものです。

それは、「楷書」がある意味で一番難しい書体だからです。

特別な書き方の修練なく活字のようにそろえて書けばよいのだと思いがちですが、これだけでは美しい楷書を書くことは難しいのです。

楷書の字が一番美しく見えるのは、文字同士が整然と並んでいる、それから、一文字ずつにきちんとした様子、「きちんと感」がある、この2つがそろっているときです。

文字同士を整然と並べるコツは、行間や文字間を均等に空けることで可能で、この点については、上手に書かれている人が多いです。

むしろ一文字ずつの「きちんと感」が不足しているため、子供っぽくなりがちです。では、どうすれば、大人流のきちんとした楷書が書けるようになるのでしょうか?

時代劇にたとえてみましょう。
お殿様に面会する場面を思い浮かべてみてください。

そのときの立ち居振る舞いはどのようなものでしょう。座敷で歩くとき、座るとき、おじぎをするときなど、常に背筋をしゃんと伸ばし、指の先まで神経をゆきわたらせ、ひとつひとつの所作はキビキビとしています。決してフニャフニャしてだらしない所作をすることはありません。これを楷書の書き方に当てはめてみましょう。

背筋をしゃんと、にあたるのが、長い縦の線がゆがまずビシッと引けていること。
指の先まで神経をゆきわたらせ、にあたるのが、それぞれの点画において「トメ・ハネ・ハライ」がきちんと実行されていること。

フニャフニャしただらしない所作とは、点や横の線など、あっちこっちバラバラな方向に向いていたり、長さが足りなかったりするなど、文字を書くルール通りではないことと思ってください。


「楷書」は、一番畏(かしこ)まった書体です。まさに、礼をつくした文字といえます。
きれいと言われる楷書で書くには、足の先から頭の先までという言葉のように、書き始めからきちんと一点一画を書き進め、書き終わりのトメ・ハネ・ハライにいたるまで、細やかな神経をくばることがきれいに書くコツとなります。

きれいな楷書をマスターする近道は、ペン先太めの筆記具を使って、大き目(1.5cmか2cmくらい)の字で、きちんと、それから、トメ・ハネ・ハライをオーバー気味に書いて練習することをおすすめします。

この大きさなら、自分の文字の癖がみえてきますので、改善するところが自然と分かるようになります。

ぜひ「きちんと感」を心にもって書くようにしてみてください。その文字が人に読まれるとき、丁寧な感じを読んだ人に与えることになり、あなたの人柄を良い印象とともに伝えてくれるはずです。

(今井淑恵)

●著者プロフィール
今井淑恵先生
Allabout ProFileの実務書道専門家(http://profile.allabout.co.jp/pf/imai-yoshie/)。
有限会社彩華代表取締役、実用手書き塾代表講師。漢字6段(一東会)、書写検定2級(硬筆)、日本語検定2級といった資格を持つ、手書き文字に関するエキスパート。『大人のきれい字 書き方』を通信講座やセミナーなどを通し、数多くの生徒への指導を行っている。

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