【コブスくんのモテ男道!】皮膚科医に聞く。水虫が治りにくい人の特徴とは
湿度が高い日本では、水虫の人口率が高いと言われています。ある製薬会社が実施した水虫に関する調査によると、20歳~35歳の女性でも、4割の人が「過去に水虫に悩んだことがある」と回答しています。
そこで、水虫の見分け方、原因、対策や感染経路、防ぐことはできるのかなどについて、皮膚科医で、はざの皮膚科院長のはざの比呂江先生にお話をうかがいました。
――若い女性でも、水虫の症状で来院されることはありますか?
はざの先生「もちろん、あります。原因はさまざまですが、やはり、仕事をしている女性に多いです。靴を履く時間が長いこと、まだ寒くない時期でもブーツを履いていた、冷え性だからと足を温めて靴下を履き替えなかったなどの例がありますが、男女共通で多いのが、フィットネスクラブでうつされたようだ、というパターン。
あるフィットネスクラブでは、『忘れ物第一位は水虫の薬』というデータもあるそうです」
――そもそも、水虫とは何なのでしょうか?
はざの先生「カビが原因でおこる皮膚病のことです。皮膚には3種の層がありますが、一番外側の角質層に寄生するカビを『白癬菌(はくせんきん)』と呼び、これが水虫の正体です。
白癬菌は、寄生する場所によって呼び方が変わり、足にできる「足白癬」を、通称「水虫」と呼んでいます。
――水虫にはパターンがあると聞きます。どのように分類されるのでしょうか。
はざの先生「足水虫は、大きく3つの種類に分かれます。
足の指の間にできる『趾間型(しかんがた)』が一番多いパターンで、白くふやける、赤くただれて皮がめくれる、かゆみが出るタイプです。
足の裏、足の周囲など床や靴底に接触する部位にできる『小水疱(すいほう)型』は、赤い小さな水ぶくれのような水泡ができます。かゆみが強いです。
足の裏全体にできる『角化型(かくかがた。
角質増殖型)』は、足の裏や周囲が硬く白っぽくなってガサガサになり、皮膚がめくることがあります。
角化型は水虫とは気付きにくく、皮がめくれてパラパラと落ちるため、家族への感染の原因になることが多いタイプです」
――なぜうつるのでしょうか。感染に関する注意点を教えてください。
はざの先生「白癬菌は、皮膚とともにはがれ落ちて床に散らばることがあります。ほかのだれかがそれを踏むなどすると、移る可能性があります。家族に水虫の人がいる場合は、うつる可能性が高いと考え、お風呂のバスマット、スリッパの共有は避けてください。
また、スポーツジム、ビジネスホテルのスリッパ、ゴルフ場のバスマットも要注意です」
――水虫なのか、皮膚の変化なのかを発見するコツを教えてください。
はざの先生「かゆくて、発酵したようなにおいがある場合は、水虫の可能性が高いです。
日ごろ、あまりかぶれにく場所にできた皮膚の変化は、足の裏や指の間ではなくても、かゆくてにおいがする場合は、水虫を疑ってください。自分の足の裏から感染することがありますから」
――「夏の海岸をはだしで歩くと水虫が治る」とよく言われますが、本当ですか?
はざの先生「水虫の程度や歩き方によりますが、がんばって歩くと、軽減します。というのも、水虫はカビですから、湿った不潔な場所に発生しますが、乾燥と60度以上の温度に弱いのです。だから、夏の海岸の高温になった砂には弱いわけです」
――水虫は治りにくいと言われますが、本当のところはどうなのでしょうか。
はざの先生「生活習慣を変えないと治りません。カビですから。癖になるという人も多くいらっしゃいますが、水虫が癖になっているのではなく、水虫を完治できない生活習慣が癖になっている、と考えてください」
――自分で簡単にケアする方法はありますか?
はざの先生「お風呂からあがって清潔な状態の足にドライヤーをあて、足の指と指の間をよく乾かすことです。その後に薬を塗ります。
くれぐれも、ドライヤーの使い過ぎによるやけどには注意してください。余計に痛いですよ。
水虫は、見た目にただれている場所の外側にも菌がいる可能性が高いので、薬を塗るときには広範囲に塗るようにしてください。
何よりも大事なのは、生活習慣を変えることです。最低、足は清潔にする努力をしてください。いくら薬を塗り続けても、また一日中同じ靴を履いて足を蒸らしていると、当然、治りません。予備のソックスを持ち歩いて、1日に2~3回は履きかえるようにします。それに、職場にも靴やスリッパを持参して、こちらも頻繁に履きかえるようにしてください。
また、ゴルフ場、フィットネスクラブなど、外出先にも薬を持参し、運動後は足を洗ってドライヤーで乾かしてから正しく塗ることです。間違っても、さっきまで履いていた靴下をもう一度履くというようなことはしないでください。水虫が喜ぶだけですから」
――皮膚科に行ったほうがよい場合、タイミングを教えてください。
はざの先生「市販薬を1週間試してもまったく効果がない場合は、ほかの病気の可能性もあります。水虫は、水虫だと判定するのが難しい面があるので、水虫かどうかわからない場合は、皮膚科に相談してください。
また、頻繁に再発する人は、皮膚科で生活習慣改善のアドバイスを受けたほうがいいでしょう。それを機に完治した、という人も多くいます」
水虫が治らなかったり完治しないのは、水虫という菌がしつこいだけではなく、自分の生活習慣に原因がある――。ギクッ、思い当たります。
靴下と靴を履きかえる、毎日となるとこれがなかなかできないのかも。でも、これを機に、ぜひ始めてみたいと思います。
監修:はざの比呂江氏。皮膚科医。はざの皮膚科(大阪市都島区。JR・京阪電鉄京橋駅徒歩5分。TEL:06-6354-6877)院長。大阪市都島区医師会副会長。
レーザーによる抗加齢治療に定評がある。
(白川一郎/ユンブル)
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