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【コブスくんの使えそうな仕事術】「流れ」のあるきれいな字のコツ、「バトンタッチ」に秘訣あり

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『大人のきれい字書き方』の通信講座やセミナーを実施されている、今井淑恵先生に20年の経験を通して、キレイな文字を簡単な工夫で書くコツを教えていただきます。

(以下、今井先生)



あの人は字がうまいと言うとき、パッと見たときの文章全体の印象で判断することが多いと思います。一文字ずつに対して、「この字はうまい、この字はへた」と、個別にとらえることは少ないでしょう。

では、文章をパッと見たとき、どのような印象を受けて「上手な字」と感じるのでしょうか?

それは、「流れ」があるか、ないか、で決まります。

流れるような文字は人の手で書くからこそで、とうてい活字では無理なことです。

日常ではあまり使われませんが、「気脈」という言葉があります。辞書には「血液のとおる道筋」と書かれています。気脈が通じている文字は、まさに血が通うというのでしょうか、生き生きとして、活力に満ちています。


この気脈にこそ、「流れ」を作り出してくれる秘訣が隠されているのです。

ふだん字を書くときには、一画目、二画目、三画目……、と今まさしく書いている線だけに気がとられますが、大切なのは、線と線が途切れる時です。

私たちは文字というと、書かれた線だけを見ていると思っていますが、それだけではなく線から線へのつながり、つまり線と線との空間も文字の一部として認識しているのです。

この空間にも通っているのが、「気脈」です。

では気脈の通じる文字を書くためには、どのようにすればいいのでしょうか?

誰でも知っている「リレーのバトンタッチ」の場面で、説明していきたいと思います。

バトンタッチは、リレー競争ではとても大切です、上手にバトンを手渡さなければ、走りの流れが止まってしまいます。

現在の走者は全力で走りながらも、上手くバトンタッチできるよう次の走者のことを考えますよね。次の走者は、今走っている人のことを考え、バトンを上手に引き継ごうとします。
呼吸を合わせてバトンを渡す。この連携が走りをスムーズにし、途切れない流れを創出することになります。

では、「気」という字を上手にバトンタッチできるよう書いてみることにしましょう。

1画目、「ノ」の書き終わりは、つぎの横線へのつながりを意識します。次いで2画目の横線は、つぎの3画目、4画目へとそれぞれ書き終わりから書き始めへと、気持ちをつないで書き進めます。
「气」の最後のハネは、つづく「メ」の始めに向かってハネあげます。このとき、「メ」の方向に書き進むので、ハネの角度がうまく決まります。ここでの次へのつながりがなければ、ハネが外側に向いてしまうなどバランスが悪くなります。


今書いている線を書き終わる前に、つぎの線、つぎの線へというように、気持ちをつないで書くことが「流れ」を作り出すコツです。
文章の場合は、一字を書き終わる前につぎの文字、つぎの文字というように、文字どうしのつながりを意識することで、文章全体に美しい「流れ」が生まれます。

また、書くときのスピードを早く、遅くなど線によって変化をつけることで、自然とリズミカルな動きが生じ、気脈をとおして動きが反映され、変化のある「流れ」を作り出してくれます。これにより難しそうに思っていたあこがれのつづけ字(行書)が、思いのほか簡単に書けるのに驚かれることでしょう。

「始まりと終わり」を意識してペンを動かすようにしてみてください。美しい「流れ」のある文章になりますから。

(今井淑恵)

●著者プロフィール
今井淑恵先生
Allabout ProFileの実務書道専門家(http://profile.allabout.co.jp/pf/imai-yoshie/)。有限会社彩華代表取締役、実用手書き塾代表講師。
漢字6段(一東会)、書写検定2級(硬筆)、日本語検定2級といった資格を持つ、手書き文字に関するエキスパート。『大人のきれい字 書き方』を通信講座やセミナーなどを通し、数多くの生徒への指導を行っている。

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