【コブスくんの使えそうな仕事術】「流れ」のあるきれいな字のコツ、「バトンタッチ」に秘訣あり
『大人のきれい字書き方』の通信講座やセミナーを実施されている、今井淑恵先生に20年の経験を通して、キレイな文字を簡単な工夫で書くコツを教えていただきます。
(以下、今井先生)
あの人は字がうまいと言うとき、パッと見たときの文章全体の印象で判断することが多いと思います。一文字ずつに対して、「この字はうまい、この字はへた」と、個別にとらえることは少ないでしょう。
では、文章をパッと見たとき、どのような印象を受けて「上手な字」と感じるのでしょうか?
それは、「流れ」があるか、ないか、で決まります。
流れるような文字は人の手で書くからこそで、とうてい活字では無理なことです。
日常ではあまり使われませんが、「気脈」という言葉があります。辞書には「血液のとおる道筋」と書かれています。気脈が通じている文字は、まさに血が通うというのでしょうか、生き生きとして、活力に満ちています。
この気脈にこそ、「流れ」を作り出してくれる秘訣が隠されているのです。
ふだん字を書くときには、一画目、二画目、三画目……、と今まさしく書いている線だけに気がとられますが、大切なのは、線と線が途切れる時です。