【コブスくんの使えそうな仕事術】内科医に聞く。足がつる、こむら返りの対策は?
夜中に足がつって飛び起きた、スポーツ中に足がつって座り込んだ……という経験はありませんか?突然に足の裏や指、ふくらはぎに衝撃的な痛みが走り、動くことができない、また、クセになることもあります。
ここで、内科医で大阪府内科医会副会長・泉岡医院院長の泉岡利於(いずおか・としお)先生に、「足がつる」ことの原因や対処法についてお尋ねしました。
■足がつるのはなぜ?
――マラソンや水泳をしているときに、よく足がつって痛むことがあります。どうしてこうなるのでしょうか。
泉岡先生運動中に足がつる原因は、筋肉疲労だと考えられます。筋肉を酷使すると疲れ過ぎて、うまく神経系統との連携がとれなくなるんです。筋肉が緊張して収縮したり、けいれんを起こしたりし、『足がつる』という症状が起こります。
特に足は、歩いたり、立っていたりするだけでも筋肉をよく使いますから、激しい運動をすると特に、つる、という現象が起きます。
スポーツ選手ら、日常的に運動をしている人でも起こります。
――夜中に足がつって痛みで飛び起きることがあります。どうしてでしょうか。また、予防法を教えてください。
泉岡先生眠ると体温が下がります。同時に筋肉も冷えて血行不良になり、収縮することから足がつることがあります。ですから、足を冷やさないようにすることが大切です。
特に季節の変わり目は、朝晩と昼の気温の差が大きくなるため、朝晩の急な冷え込みで足が冷えないようにする注意が必要です。
それに、夏でも冷房や布団などを足にかけずに寝ることで足が冷え、夜中に足がつって痛みで目が覚める……ということの原因になります。
ほかにも、ミネラル不足が原因として挙げられます。汗をかくことで、汗にまじってマグネシウムやナトリウムなどのミネラルが体から排出されます。ミネラルは、筋肉が正常に動くのを助ける大事な成分です。それらが不足すると筋肉が異常収縮を起こします。収縮する一方で伸びにくくなり、足がつるという状態に陥ります。
寝汗をかきやすいという人は、ミネラルを補給するために、硬水やカロリー控えめのスポーツドリンクをお勧めします。
■足がつったときはゆっくり伸ばす
――足がつったそのときは、どう対処すればいいのでしょうか。
泉岡先生足がつったときは、痛い部分をそっと、ゆっくり伸ばしましょう。自分ですると妙な力が入って反対の足もつってしまうことがあるので、できれば人にしてもらうのがベストです。
また、足を触ったときに冷たいと感じたときは筋肉が冷えているので、タオルをかけるなど、足を温めながらゆっくり伸ばしましょう。
――シップや塗り薬は効果がありますか。
泉岡先生筋肉の冷えが原因と考えられる場合、筋肉を冷やす冷シップや冷却スプレーは逆効果です。また、足がつるのは筋肉がけいれんしている状態なので、筋肉の炎症を抑える塗り薬の効能とは直接の関係がなく、特に効果はないでしょう。
――頻繁に足がつる場合、体のどこかが悪いのではないかと不安になるのですが、病院に行くべきでしょうか?
泉岡先生運動もしない、汗もかいていないのに頻繁に足がつる場合は、病気が隠れているかもしれません。よく足がつるというのは、糖尿病や肝機能障害の初期段階でも現れる症状です。
特に肝臓は沈黙の臓器といわれるほど、よほど悪くならないと症状が出ないのですが、肝臓が悪いと体の解毒作用がうまくいかず、ミネラルのバランスを崩すことで足がつりやすくなります。加えて、以前より疲れやすくなったなどの症状があれば、なるべく早く医師に相談してください。
――ありがとうございました。
足がつったときの痛みは、本当につらいもの。普段から足を冷やさない、ミネラルを補給するなど、足をケアすることが大切なようです。
監修:泉岡利於氏。医学博士。内科医、大阪府内科医会副会長。
医療法人宏久会泉岡医院院長。
泉岡医院 大阪市都島区東野田町5-5-8JR/京阪電鉄京橋駅中央出口から徒歩7分TEL:06-6922-0890http://www.izuoka.com/
(岩田なつき/ユンブル)
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