【コブスくんのモテ男道!】温泉ソムリエに聞く。温泉効果をアップする10の入浴法
温泉に浸かって、より効果効能にあやかるためには、正しい入浴法を知っておくことが肝心だとか。
そこで、元オリンピック・ショートトラックスピードスケートの選手で、現在は温泉ソムリエの資格などを持って「健康と美容」に関するキャスターを務める勅使川原郁恵(てしがわら・いくえ)さんに、効果的な温泉入浴法についてお尋ねしました。
■旅館に置いてあるお菓子とお茶にも意味がある
温泉の浸かり方について勅使川原さんは、次のように話します。
――温泉は、周知のとおり体調不良を整える効果効能がありますが、ぼーっと入っていてもその効果は望めないことがあります。
それに、ご経験がある方も多いと思いますが、一つ入り方を間違えると、余計に疲れたり、体調を悪化させることにもなりかねないのです。
「温泉効果がよりアップする入浴法」について、10の方法をお伝えしますね。
1.入浴前は適度にカロリー補給を
空腹で入浴すると貧血を起こしやすくなるので、適度にカロリー補給をしてから入りましょう。よく旅館にお菓子とお茶が置いてあるのは、到着後の午後には、これらを口にして空腹を癒やしてから入浴を、という意味があります。
2.温泉に入る前後に水分補給をする
入浴の10分~20分前と、入浴後すぐ~10分後までに、コップ1~2杯の水を飲みましょう。血行と発汗を促します。特に入浴後は、発汗で血液の粘度が上がって血液がドロドロになるのを防ぎます。
3.温泉に浸かる前に軽く体を洗う
温泉成分をより吸収するために、体を洗ってから浸かりましょう。ただし温泉には、肌の角質や毛穴の汚れを取る効果があるので、体をタオルでごしごしと洗うと肌を傷めてしまいます。
そこで、せっけんを手に取ってよく泡立てて、手で洗うことをおすすめします。
かけ湯をして、一度5分ほど湯船に浸かってから洗い、また湯船に浸かると体が温まりやすいです。
4.体を洗ったあとは温泉の湯でかけ湯をする
かけ湯は、入浴中の脳卒中や心臓発作を防ぐ役割があります。
心臓から遠い部位から首へ、つまり右足、左足から太もも、腰、おなか、胸、肩、首へと順に、5~10杯ほどかけましょう。
5.湯口(ゆぐち)の反対側から入り、湯口(ゆぐち)側から出る
お湯がわき出ている湯口(ゆぐち)付近は温度が高く、体に負担がかかります。ですので、温度が低く、お湯がまろやかな湯尻(湯口(ゆぐち)の反対側)からそっと足を入れて徐々に湯を体になじませていきます。
湯から上がる時はその逆で、湯が新鮮な湯口(ゆぐち)付近から上がるとよいでしょう。
6.入浴中は、しぼったタオルを頭にのせる
暑いとき、のぼせた場合には冷たいタオルを、寒いとき、立ちくらみがする場合には熱いタオルを頭にのせるとよいでしょう。
7.内風呂に入ってから露天風呂へ
気温が低い屋外にいきなり裸の状態で出ると、血圧が急上昇する場合があります。まずは内風呂に入って体を一度温めてから、露天風呂に行くのがよいでしょう。露天風呂では、頭を冷やして下半身を温めることになり、血液循環が活発になります。
体の芯から温めることができます。
8.1回の入浴は5分程度に
1回の入浴で長湯(ながゆ)をすると、体への負担が高まります。1回につき約5分間入浴し、3~5分ほどの休憩をしてから再度、入浴します。これを体調に合わせて、3回ほど繰り返します。
時間を計ることが難しい場合は、額にじわっと汗をかいたときが上がりどきだと覚えておきましょう。
休憩の続きに、体や髪を洗うと汚れが落ちやすくなります。
9.あがり湯にシャワーはNG
温泉入浴後は、約3時間ほど皮膚から温泉効果の浸透が持続します。上がるときに、体を洗ったりシャワーをかけたりすると温泉成分を洗い流してしまうことになります。
温泉のかけ湯ならOK。
10.入浴後は30分~1時間の休憩を
汗やほてりが自然に引くまで、水や麦茶、熱で失われやすいビタミンCを含んだドリンク、スポーツ飲料などを飲みながら、ゆっくり過ごしましょう。この時間は大切です。この間に、温泉の成分がより体に浸透していきます。
ビールなどアルコールは、のぼせた体に悪影響を与えることがあるので、このときはガマンします。1時間程度ゆっくりした後の、夕食時のお楽しみにとっておきましょう。
最後に勅使川原さんは、こう付け加えます。
「夜に温泉に浸かるときは、夕食後1時間ほどたってからにしましょう。
食後すぐは胃腸など消化器官に血液が集中している、お酒を飲んだ場合はアルコールが残っていて、気分が悪くなることがあります」
日々の適当なシャワーがクセになっている筆者は、温泉に出掛けても適当な浸かり方でせっかくの効果が半減だったことに気付きました。これからはこの10の術を実践し、もっと温泉浴を楽しむ決心をした次第です。
監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場・入賞を果たす。引退後、朝日新聞のプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・アドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。温泉ソムリエ、野菜ソムリエなどの資格を有し、「年代を問わない美と健康」を提唱している。 著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果をわかりやすく解説した好評の一冊。
(藤井空/ユンブル)
【関連リンク】
【コラム】温泉で女性グループに遭遇……旅先で経験したハプニングとは?
【コラム】世界一のベンチから吉幾三まで。
全国おもしろ道の駅
【コラム】1本2,000円の究極の万能たれのお味は?