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【エンタメCOBS】高速道路にかかるお金

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郊外に足を延ばすと、のんびりした風景に似つかわしくない巨大な高速道路に出くわすことがよくあります。狭い日本ではありますが、この国土の中に総延長9,126.8kmもの高速自動車国道が整備されています。おおざっぱではありますが、東京からロサンゼルスまで直線距離で約8,800km。これよりも長い距離になります。この高速道路……、どれぐらいのお金があればできるものなのでしょうか?

※国土交通省道路局http://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_10b_01.html

■高速道路にかかるお金
高速道路の建築コストはおおよそ「1kmあたり53億6千万円」(平成17年国際建設技術協会の調査)と試算されています。建築コストには、「工事費」と「用地費」が含まれているもの。山地が多く人口密度の高い日本の建築コストは、諸外国と比較して高いと言われています。

1kmの高速道路を建設するのに必要な費用が53億6千万円と聞いてもあまりピンときませんが、日本人の人口を1億2,800万人とした場合、国民一人が42円ずつ出し合えば1kmの高速道路ができるという計算になります。


とは言え個々の高速道路によって事情は異なるもの。ちなみに2,012年4月14日に一部開通する新東名高速道路、御殿場JCT~三ヶ日JCT間(約162(18))の総工費は約2兆5,000億円。1kmあたり154億円。国民一人ずつがお金を出すとしたら1kmあたり約120円必要になります。

また、平成9年に開通した東京湾の中央部を横断する「東京湾アクアライン」は延長約15kmながら、建設費は約1.4兆円。コストが高いのは、日本一長い橋「アクアブリッジ」(4,424m)と海底トンネル、2つの人工島から構成されているため。少し乱暴ですが1kmの建設費は国民一人あたり729円に換算されます。

■橋、トンネルにかかるお金
多くの高速道路がそうであるように、山、川、海に囲まれた日本の高速道路を建設するには、橋やトンネルが欠かせません。


長大トンネルの一つ「関越トンネル」(11,055m平成3年全線開通)は建設費が630億円、「飛騨トンネル」(10,710m平成20年開通)が約1,000億円。また、本四連絡橋にかかるそれぞれの橋にかかった建設費は
・明石海峡大橋(平成10年開通)5,000億円
・瀬戸大橋(昭和63年開通)8,200億円
・来島海峡大橋(平成11年開通)2,800億円
これほどの規模ではありませんが、東京の「レインボーブリッジ」は1,281億円、横浜の「ベイブリッジ」が800億円と言われています。

参考:JB本四高速:お問い合わせ:本州四国連絡橋について

百、千、万、単位のお金であれば現実感もありますが、億、兆の単位になると想像力すらかきたてられにくいものです。とは言え税金が投入される公共事業。日常生活には縁遠い単位であっても億、兆という単位の数字に日々接することによって、その規模感が少しずつ養われていくかもしれません。

(文/森眞奈美)

■執筆者 プロフィール
森眞奈美(もりまなみ)
サンダーバード国際経営大学院にて国際経営学修士号取得後、米国系再保険会社に入社。退社後ライター業をしながら、AFPを取得。現在は「保険」、「クレジットカード・電子マネー」、「ライフプランニング」などマネーに関するコラムを雑誌やWebで執筆中。

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