【コブスくんのモテ男道!】メール作成の時短テクニックとは
そこで、「メールの時短テクニック」について、ビジネスコミュニケーション講師の大嶋利佳先生にお話を伺いました。
■スクロールせずに読める長さに
――メールを早く作成するためのポイントとは、何でしょうか。
大嶋先生メールにかける時間を短縮し、効率よく仕事をすることは大切ですが、そのためにそっけなく冷たいものになっても困ります。
「失礼にならず、かつ事務的すぎずに書き手の人柄を感じさせるようなメールを早く書く」という視点で考えましょう。
次の9つのポイントがあります。
1.スクロールしないで読み切れる長さに
短く簡潔な文を書くようにします。長くても1行は25~30文字、行数は20~25行にまとめると読みやすくなります。
2.あいさつはシンプルに
冒頭が長いと読みづらい印象を与えます。「お世話になっております」など、シンプルでよいのです。2行目からはすぐに本題を書くようにしましょう。
気を使う相手には、「いつも大変お世話になっております」、「いつもお世話になり、ありがとうございます」とするといいでしょう。
3.「件名」には、内容がひと目で分かる一文を記す
件名にあいさつや自分の名前を入れるのは、ナンセンス。「差出人」の覧にはすでに自分の名前が明記されています。件名には、受信者が後から検索しやすいようになどの利便性を考えて、用件を簡潔に記すようにします。
・NG例
「鈴木です」、「こんにちは」
・OK例
「会議の準備の件」、「○月○日のご注文内容について」
4.本題は「結論」から書く
「何のためのメールか」、「何を伝えたいのか」を先に記すと、簡潔なメールとなります。
用件はタイトルにすでに記しているため、「表題の件で~」というように書き始めるとよいでしょう。
例)
「表題の件でご連絡いたします。商品Aの在庫は現在100個ございます」
「表題の件ですが、添付の配付資料を10部ご準備くださいますようお願いいたします」
5.細かい事情は書かない
メールは要点を伝え合うためのツールで、細かい説明や心情的な伝言には向きません。詳細などを伝えたい場合は、電話や面談を利用します。
・NG例
「明日のミーティングですが欠席とさせていただきます。ぜひ出席させていただきたいと思って日程を調整したのですが、昨日関西の工場の方でトラブルが起こってどうしても出張しなければならなくなりました。申し訳ありませんが、ご了承のほどお願いいたします」
・OK例
「明日のミーティングは欠席とさせていただきます。出張が必要な急用ができ、申し訳ございません」
6.用件の詳細は別の方法で伝える
メールですべてを伝えようとすると長文が必要になり、時間がかかります。
例のような一文を入れ、電話や面談を併用しましょう。
例)
「詳細につきましては、添付文書をご覧ください」
「詳しいことは明日、あらためてお電話をさせていただきます」
7.「短くてすみません」のフレーズを使いこなす
「今、時間がなくて申し訳ございません」という気持ちを伝えるフレーズを書き添えれば、短文でも格好がつきます。
例)
「まずは要件まで、失礼いたします」
「簡略ですがご報告申し上げます」
8.締めくくりの言葉のパターンを決めておく
凝る必要はありません。「以上、よろしくお願いいたします」で十分でしょう。
気を使う相手には、
「恐れ入りますがよろしくお願いいたします」
「何とぞよろしくお願い申し上げます」
と、「以上」のところにバリエーションをもたせると気持ちが伝わります。
9.ラスト1行に気持ちを込める
「これでは事務的でそっけないかも」と気になる相手には、最後に心のこもった言葉を入れるようにします。
例)
「まだまだ寒い日が続くようですので、お体を大切にお過ごしください」
「近いうちにお目にかかれることを楽しみにしております」
以上の9つの方法を活用しつつ、失礼にならず個性も感じさせる文章を早く書こう、と意識してください。
――ありがとうございました。
最後に、筆者から、「単語の登録機能」を使うという方法をお勧めします。
例えば、「よろ」と変換すると「よろしくお願いいたします。」、「やま」→「山田太郎」など、自分の名前や自社名、よく送信する顧客の社名、あて名、あいさつ文など、頻出語や定型文を登録しておくと、特に、キーボード操作が苦手な人は時短につながるでしょう。シンプルで分かりやすく、かつ、事務的すぎない文になるように日ごろから意識をすること――それが時短テクの極意のようです。
監修:大嶋利佳氏。ビジネスコミュニケーション講師。『The Business Mail メール力』(産業能率大学)など30冊以上のビジネス書籍を刊行し、最新刊は『ビジネス電話のマナー&技術』(産業能率大学)。本を書きたい人のための『出版実現講座』(通信制)も主宰している。http://www.ohshima-rika.info/
(海野愛子/ユンブル)