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【エンタメCOBS】太陽系の起源を探る

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【エンタメCOBS】太陽系の起源を探る
私たちがいるこの太陽系。

その中には、光り輝く太陽のほか、地球や火星のように岩石でできた小さな惑星や、木星や土星のようにガスが中心の巨大な惑星が存在します。

いったいこの太陽系はいつどのようにして生まれたのでしょうか。そして、なぜこのようにいろいろな種類の天体がいるのでしょうか。

そこで今回は、太陽系の起源と進化の過程について、現在の定説とされている「星雲説」に基づいて、見ていきたいと思います。

■太陽が生まれたきっかけ

太陽系の中心に存在し、太陽系で唯一自ら輝いている「太陽」。

まずはこの太陽が誕生した経緯から探っていきましょう。

さかのぼること今から48億年前…。

太陽が誕生したきっかけは、銀河系の片隅にある巨大な恒星の爆発でした。

現在の太陽よりもはるかに大きなその星は、寿命を迎えると大爆発を起こし、その残骸(ざんがい)を周囲にまき散らすとともに、その爆発の衝撃は、周りの宇宙空間に漂っていた物質(主に水素やヘリウムといったガスやちり)にも刺激を与えました。

すると、このようなガスやちりから構成される巨大な雲のようなものは、その密度の濃い部分が集まり、自らの重力によって収縮を始めることで、中心部の温度と密度が高まっていきます。

さらにその雲は、自らの回転により「原始惑星系円盤」と呼ばれる渦巻(うずまき)状で平たい円盤の形へと少しずつ変化し、やがて円盤の中心部分には太陽のもとになる「原始太陽」が生まれました。

その後も、中心部分の温度と圧力はますます高まり、一定条件に達することで、水素をヘリウムに変換する核融合反応が始まり、自ら明るく光る星へと変化します。

このようにして、今から約46億年前に現在の太陽は誕生しました。

ちなみに、このころの太陽の明るさは、まだ現在の約7割程度であったと推定されています。

■太陽系惑星たちの誕生

太陽が成長しつつあるころ、その周囲にあるガスやちりの円盤も、太陽の周りを回り続けていました。


これらは少しずつ集まることで、その重力により小さくまとまり、次第に数km程度の大きさを持った「微惑星」へとなっていきます。

微惑星はその後、小さな衝突を繰り返して「原子惑星」へ、そしてより大きな衝突を繰り返すことで、現在の惑星の姿へと少しずつ成長していきました。このとき、太陽から一定の距離(太陽~地球の距離のおよそ4倍)以内は、太陽からの距離が近いため、その影響によりガス成分は少なく、岩石や金属などの物質が微惑星を形成する中心となりました。

それが、現在の「地球型惑星」(=水星・金星・地球・火星)になるのですが、岩石や金属といった物質はその量が少なかったため、あまり大きく成長することができませんでした。

一方、それよりも外側は、太陽からの距離が遠く、温度が低いことから、水や二酸化炭素・メタンなどが固体の状態で存在できたため、それらの成分が中心となった微惑星ができます。

そのような微惑星は、さらに自らの重力によって周りに存在する水素やヘリウムなどのガスを引き寄せることで、いっそう大きくなりました。

それが、現在の「木星型惑星」(=木星・土星・天王星・海王星)にあたりますが、これらを形成する物質は、宇宙空間に豊富にあったことから、太陽の近くを回る地球型惑星に比べて、大きく成長することができたというわけです。

■さらなる真実に迫る

昨年(2011年)8月、NASAのニュー・フロンティア計画の一環として、木星探査機「ジュノー」が打ち上げられました。


この探査機「ジュノー」は、打ち上げから5年後の2016年には木星に接近し、そこから約1年かけて大気や磁場のデータなどを収集する予定となっています。

木星探査は、惑星が生まれる過程を調べる大きな手がかりになると期待されており、ひょっとするとこれにより太陽系が形成された謎が一気に解明されるかも知れません。

■まとめ

今回は太陽系が誕生した仕組みについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

ほかの星の爆発によって生まれた太陽と、その周りを回る惑星。

8つの惑星たちも、太陽からの距離によってそのでき方が異なったため、地球のように岩石や金属を中心とした小さな惑星もあれば、木星のようにガスを中心とした巨大な惑星もあるというわけです。

こうして見てみると、宇宙の歴史やそのスケールの大きさをあらためて感じることができますね。

(文/寺澤光芳)

■著者プロフィール
寺澤光芳
小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

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