【エンタメCOBS】突撃レポート! デバッグのお仕事!
そこで、デバッグ作業は本当に楽なのかどうかを調べるため、ゲーム好きの私がデバッグ会社に潜入して参りました。それでは、3日間の突撃レポートをどうぞ!
■デバッグ作業1日目
作業初日ということで、この日は会社が所有するデバッグ専用のスタジオ内でお仕事をすることに。リーダーと呼ばれる男性の後についてスタジオ内に入ると、そこにはズラっと並ぶ大量のゲーム機とモニターが! これはテンションが上がります!
リーダー:では、今日はこのゲームのデバッグを行います。
なんとそこには発売前の某箱庭方アクションゲームが!
リーダー:起動したら、マップの端っこまで行ってください。
なるほどなるほど。
リーダー:端まで行ったら、そこから端っこにぶつかりながら時計回りにマップを移動してください。
え? それだけ? 敵と戦ったりはしなくていいんですか?
リーダー:しなくていいです。とにかくマップの端にぶつかり続けてください。
詳しく話を聞くと、これはコリジョンチェック(衝突判定)というもので、プログラムで指定されているマップの端より外側へキャラクターが出てしまう箇所がないか調べる作業とのこと。
それにしてもこの作業、ひとっつもおもしろくありません……。何時間もずっとマップの端っこに沿って歩くだけ。動かすボタンも十字キーただひとつ。はっきり言って数分で飽きました。
すいません、あの……今日はこれ以外の作業はないのですか?
リーダー:取りあえず今日はこれだけですね。
そうですか……。
とにかくひたすらマップの端っこにぶつかり続けたデバッグ作業初日の7時間。いきなり大好きなゲームが嫌いになりそうです。
■デバッグ作業2日目
2日目となるこの日は、ゲーム会社に赴いてのデバッグ作業をすることに。命ぜられた作業は携帯アプリゲームのデバッグ作業。
リーダー:この花札ゲームをひと通りプレイして、なにかおかしなことがあったら報告してください。昨日のコリジョンチェックが強烈だっただけに、普通にゲームをしていてもいいだなんて、これは楽チン過ぎます。が、やはりひと筋縄でいかないのがデバッグ作業。
上級モードでプレイ中、五光という最上役がそろったときに点数表示がおかしくなる現象を発見。リーダーに報告すると……
リーダー:もう一度同じ状況を作って、同様の現象が起こるか確認してみてください。
リーダーいわく、デバッグで大事なのが再現性と呼ばれるもので、バグを見つけても、その後何度も同じケースを再現し、本当にその行程でそのバグが発生したのか確認しなければならないという。つまり……あと数回上級モードのコンピューター相手に、五光という最上役をそろえなければならない、という訳で……。
2日目は花札が嫌いになりました。
■デバッグ作業最終日
最終日も、前日と同じゲーム会社でのデバッグ作業。この日は某ヒーローが主役の横スクロールアクションゲームを担当することに。
取りあえず昨日の花札ゲーム同様に、ゲームを進めながら動作チェックを進めていると、最終ステージのボスキャラクターが一瞬停止するという現象を発見!
さて、上記にもあるように、デバッグで大事なのは再現性。
最終ステージまで行き、ボスキャラクターともう一度戦わなければなりません。数十分数かけて最終ステージに到達しても、コンピューターが操作するボスキャラクターが前回と同じ動きをするとも限らないのでして……。
しばらくアクションゲームはしなくてもよくなりました。
というわけでやっとのことで3日間のデバッグ作業が終了。一日中ゲームができるとはいえ、やはり仕事は仕事。確かに肉体労働とは違い、大きく疲労することはありませんが、キツイことはキツかったですね。単調な作業が大好きな人はともかく、私はとてもじゃありませんが楽チンとは言えませんね。
よく「好きな事は仕事にするな」という言葉を耳にしますが、その意味がよ~く理解できた3日間でした。
(貫井康徳@dcp)