【コブスくんのモテ男道!】賃貸Q&A こんなときどうする?~更新手続きでトクするコツ
毎月10万円の家賃(賃料)を払っているのに、隣の空き部屋は9万2000円だとわかったら……ショックですよね。
こんなときはどのような対処法があるのでしょうか。
不動産の売買・賃貸物件取り扱いで豊富な経験を持つ、千葉県の不動産会社・京葉ハウジングの奥野社長にお話をうかがいました。
更新時に空き部屋の家賃が下がっていた!
更新時に限らず、近隣との相場の違いを発見したときには、わかった段階で仲介会社を通してオーナー(大家さん)に話しても大丈夫です。交渉してみるのもひとつの方法でしょう。
賃料は、駅までの距離、築年数、所在階、構造、面積、近隣の環境等、さまざまな尺度から決定されます。賃料はその部屋の価値に直接つながるものです。
ですので、同じマンションでも賃料が異なることはあり得ます。
もしかしたら、家賃を払いすぎているかも?
価値が同じ部屋で不当に高く賃料を支払っているという判断ができる場合は、「供託金制度」という制度を使って、不当に支払った金額について申し立てることも可能です。
しかし、ここで注意したいのは、大家さんとの今後の人間関係ですね。せっかく賃料を下げてもらっても、その後の関係がぎくしゃくするのでは、借り主として気まずい事態も発生するかもしれません。
ですので、まずは仲介会社の営業担当者に「相談」の形で連絡するのがいいでしょう。管理会社が間に入っている場合もありますから、その場合は管理会社へ「相談」の形で連絡してみてもいいでしょう。
事前準備が交渉のポイント
更新時に「家賃を下げてくれないなら更新しません」というような発言をされる借り主もいらっしゃるようですが、それはあまり得策とはいえません。
更新時の2~3カ月前から、近隣の家賃相場を調べてプリントアウトしてみる、管理会社や仲介会社へ相談の準備をするのは大変望ましいです。
いきなりいわれても……とならないためにも。
それから、毎月の家賃をきちんと期日までに納めるのはもちろん、それ以外にも日ごろから大家さんへの印象をよくする(騒音を出さないように注意する、正しいゴミの出し方を守る、あいさつ等)、感じの良い借り主になることがポイントです。この人のいうことなら聞いてあげよう!と思われる雰囲気づくりが重要ですね。
仲介会社の営業担当者は異動や退職のため、契約時と異なる人が担当することもありますが、信頼できる不動産会社なら、営業担当者が替わっても、きちんと引き継ぎをされています。まずは、相談してみましょう。
円滑な交渉を進めるためには、日ごろのコミュニケーションが大切なのです。
トクするこつは早めの相談
一時期、更新料について、マスコミでも論議が巻き起こったことがありますね。更新時に家賃2カ月以内の更新料を支払うことは、法的にも認められています。
関西と関東で若干異なることもあるようですが、更新料は家賃1カ月分というところが多いのではないでしょうか。
首都圏では2年ごとに更新料が発生し、さらに火災保険などの更新費用が加わるのが一般的です。結構、かかりますよね。
更新料支払いが家賃1カ月以上の場合は、交渉してみてもいいのではないかと思われます。
大切なのは、契約時に渡される契約書をしっかり理解しておくこと。契約時には、宅地建物取引主任者の資格を持った営業担当者や不動産会社の職員が「重要事項説明書」という契約書の文言をひとつずつ読みあげて、契約内容を説明することが必須となっています。わからないことは、この契約時にしっかり確認しておくことが重要です。納得いかないことや理解できにくい点があれば、遠慮なく質問してください。
先ほどお話したように、更新時より早めに調査や相談を済ませてみると、更新料は下げてもらえなかったけど、家賃を少し下げてもらえた等のケースもあるようです。大家さんと、間に入る仲介会社や管理会社次第ということもありますので、ここはソフトに作戦を考えて交渉に入られるのが望ましいと思います。「調べる」「相談」「円滑なコミュニケーション」は、ここでも重要なキーワードとなっていますね。
震災以降、不動産に対する価値観は安定しておらず、これからもますます変動の時期を迎えると思います。そんなときだからこそ、賢い借り主になって、おトクに快適に暮らせるための対策を練っていきましょう!
(OFFICE-SANGA 渡辺久子)