『へうげもの』という漫画を知っていますか?茶聖・千利休の高弟、古田織部を主人公に据え、「茶道の世界」がどういう物かを見せてくれます。この漫画はアニメになるほどの人気作で、つまり「教養としての茶道」にいかに多くの人が興味を持っているかを示しているように思われます。
ただ、茶道の世界が普通の人にとって敷居が高いのは事実です。何から始めていいのかもよくわからないのではないでしょうか。初心者のための茶道について、茶道裏千家、準教授の坂井宗季さんにお話を伺いました。
■なんと421年の伝統が!
――まず非常に基本的なことを伺います。茶道はいつからあるんでしょうか。
坂井準教授茶道の前にお茶の話をしましょう。
お茶を飲む風習は奈良時代に中国から伝わりました。遣唐使や中国に留学に行った禅僧が伝えたと言われています。
――日本にお茶はそもそもなかったんですか?
坂井準教授そうですね。平安時代に最澄がお茶の種を日本に持ち帰って、比叡山の麓に植えたのが栽培の最初だそうです。
――それはまた随分古い話ですね。
坂井準教授その後、お茶の文化が徐々に日本に根付きました。今の茶道の原型になったのは、室町時代の後期に村田珠光という方が開いた「わび茶」