【コブスくんのドキドキ企業訪問】実録! コールセンターで経験した、お客さまとのヒミツのお話
■まるで結婚相談所?
これは珍しい話ではありません。親身になって話を聞いてあげたり、本来であれば対応できないレベルの案件をクリアしてあげたりしたときには、「そういえばあなた彼女いないの?何歳?うちの孫のお婿さんに来ない?」なんて話に発展してしまいがち。とくに、年配の女性に多かったですね。
某ライフライン会社のコールセンターで一緒に働いていたSさん(女性)は、もともとの声が整っていて、笑顔の声が素晴らしい。それがきっとお客さまにも伝わっていたのでしょう。多いときには1日で3件くらい、お婿さんをあっせんされていました。ちゃんと彼氏がいたのですけどね、Sさん。だからいつも苦笑いでした。
もちろん、声では未婚・既婚はわかりませんから、既にだんなさんがいたNさんも、時折そのような話になってしまうことも。「残念ですがもう結婚してるんですよ」と答えていました。本当は個人的なことを話してはいけないセンタールールがあるのですが、断り文句として認められていた部分はあります。
Nさんは妊娠してからも退職せず、出産直前まで働いていたのですが、妊娠中にお婿さんを紹介されたこともありました。「いま、おなかの中に子どもがいるんですよ」と返すと、「あら、それはおめでとう」なんて言われていました。人柄のなせる業ですよね。
■止めたいけど、止められない
某通信販売系コールセンターで働いていたときに、スタッフの女の子のKさんが、なかなか電話が終わらず、ちょっと困った顔をしていました。なので、通話内容をモニタリングしてみたんですね。そうすると、やっぱり、「あなたとてもいい子ね。うちの息子と1回会ってみない?彼氏がいないんでしょ?」と、少々しつこいオバサマ系のお客さまに息子さんを紹介されていました。
僕は思わず、苦笑してしまいました。
だって、そのときのKさんの彼氏=僕でしたからね……。結局、Kさんはうまいこと切り抜けて電話を終えていましたが、僕が電話をモニタリングしていたことがわかると、あとから「なんでもっと早く、なんとかしてくれなかったの!」と怒られました。
いや、個人情報を聞かれて答えてしまうだとか、そんなことにならない限りは、こちらとしてはどうにもできないのですよ。お客さまも、そのオペレーターを気に入って「善意」で仰(おっしゃ)ってくれている場合がほとんどなので……。
■そのようなサービスは行っておりません
大学生の娘さんを持つお父さんからの電話で、こんなことがありました。
ひと通りの用事が済んだ後に、「お前はどこに住んでるんだ!」といきなり言われたのです。
「娘さんがご入居されるアパートから割と近くですよ」
僕は驚いて、取りあえずこう答えました。すると、お父さん、いきなりこんなことを要求してきたのです。
「じゃあ、悪い虫がつかないように、たまに見張りに行ってくれ。オートロックの番号もさっき教えたろ!」
「いやあ、それは……」としか答えられませんでしたよ。
今日もどこかのコールセンターで、このようなヒミツのやりとりが繰り広げられていることでしょう。
(OFFICE-SANGA yanagi)