【エンタメCOBS】唯一本能にダイレクトに届く情報、「ニオイ」と恋愛の関係
嗅覚(きゅうかく)は、遠い所からでも天敵や餌の情報を得られるものですから、命の維持にすごく重要な感覚で、敏感に反応するんです」
――動物より嗅覚(きゅうかく)が劣る人間でも、臭いものってすごく不快で気になったりしますよね。ガス漏れとか、満員電車の隣の人のニオイとか。……そう考えると、ネットでのお見合いなんかは、リスクが大きいですね。
「今の時代、出会いのきっかけとしてならいいのですが、早めに会って印象を確かめておく必要はあるでしょうね。やはり人間同士、直接会うのは大事です。
恋愛以外でも、微妙なニオイの違いで、無意識で何かを選んでいることはたくさんあると思います。良い人なんだけどウマが合わないとか、仲良くなるタイプじゃないのにこの人とだけは腐れ縁だとか。現代人は、もっとそういう自分の感覚を信じてもいいんじゃないかなと思います」
――ありがとうございました!
(取材・文/島田彩子)
塩田久嗣(しおた・ひさし)
1962年生まれ、脳科学者。
ブレインサイエンス・ラボラトリー所長。京都大学卒業後、脳や心の研究に従事し、それまでの脳科学の常識を覆す「感情量」という独自の概念を提唱している。