ゆとり教育を受けた世代が社会人デビューを迎えています。彼らには「とにかくがんばれ」といった感情論は通用しないといわれており、どのように指導すればいいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、社員教育や人材育成などを手掛けるインソースグループ、ミテモの執行役員・澤田哲也さんに、「ゆとり社員」との上手な付き合い方についてうかがいました。
■指示されたことしかやらない理由
――いわゆる「ゆとり社員」の特徴について教えてください。
「よくいわれているのが、『指示されたことしかやらない』ということです。これはどこの会社にも共通してみられる傾向ですね」(澤田さん)
――どうして指示されたことしかやらないのでしょうか。
「指示以外のことをして失敗すれば、怒られる可能性があるからです。彼らはあまり怒られた経験がないので、怒られるようなことはしたくない。
また、怒られても、どうしていいかわからない。そのため、失敗する=怒られるリスクを避けて、その場をやりすごす傾向がみられます。
これは、決してやる気がないからではありません。彼らが育ってきた時代背景が影響しているのです。生まれたときにはすでにバブルが崩壊しており、それからずっと不景気しか経験しておらず、希望を持ちにくい社会で育ってきました。