【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(10)もしもブラックホールに落ちたら
ガスの場合はまず一部がブラックホールの軌道に引き込まれ、らせんを描き始める。扇風機に巻き込まれたヒモのような状態だ。ブラックホールから遠い部分はゆっくりと、近くは高速に、速度差のある差動回転を起こす。速度差から摩擦が生じ、やがて100万度にもおよぶ高熱へと変わる。痛いだけでは済まされず、今度は熱い思いもしなければならない。
太陽のような恒星も同じ運命をたどる。まずは強烈な引力で引き伸ばされ、差動回転で高温の円盤へと変化する。あとは光り輝きながら自分の番を待つだけだ。
何年かかるかわからないが、ペースト状になってブラックホールの中心に向かうのを待ち続けよう。
もしもこれが葬儀なら、固体よりもはるかに華々しい。事象の地平線を越えてしまうと二度と拝めないから、100万度の輝きを眺められるうちに、しっかりと故人を偲んでおこう。
■まとめ
ブラックホールの中心にたどり着くあいだ、物体は光速に達するという説がある。もしそうなら、落ちた人の時間は遅く流れ、中心への旅は大変長い時間に感じることになる。
ブラックホールに落ちるなら、足から落ちてみたい。その感想を誰かに伝えることはできなさそうだが、自分が素粒子に分解されるのを、ぜひともこの目で見てみたいものだ。
(関口寿/ガリレオワークス)
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