【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(6)もしも可視領域が広がったら
前回の可聴範囲を超えた「聞こえない音」に続き、見えない光の話をしよう。代表例は赤外線と紫外線で、人間にとっては可視範囲外なため気にせずに暮らしているが、これらが見えたり認識できる生物は少なくない。
もし赤外線や紫外線が人間に見えるようになったらどうなるのか?見えないだけで普段から浴びているのだから、すぐにマズいことは起きないだろうが、便利か不便か、微妙な結論となった。
■赤外線で犯罪増加?
人間が見える光は、虹の7色に代表される赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の範囲で、一般的に波長830~360nm(ナノ・メートル)と言われている。波長は音の高低のようなもので、赤は低音、紫が高音と言い換えれば分かりやすいだろう。
赤よりも長い波長は赤外線と呼ばれ、電磁波として扱われる。遠赤外線協会の資料では、以下の2つに大別されている。
・近赤外線( 780~ 3,000nm)…プラスチック、木材、ゴムに吸収される
・遠赤外線(3,000~1,000,000nm)…二酸化炭素や水蒸気に吸収される
近赤外線は、テレビのリモコンや携帯端末の通信手段に使われ、中でも生体透過性の高い800~1,000nmは「生体の窓」