【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(7)もしも火星で暮らすなら
2012年8月5日、探査機キュリオシティーが火星に着陸した。それに呼応するかのように、オランダのベンチャー企業が人類火星移住計画「マーズワン」プロジェクトを明らかにした。およそ7カ月かけて火星に移り、着陸船風のシェルターで生活する。
その様子をTV番組化して費用をひねり出すという荒唐無稽(むけい)なプロジェクトだが、webに打ち出された「人類が火星で学び成長し反映し永住する基盤を確立」の言葉から、大まじめなことは確かだ。
移住の言葉から宇宙服なしで歩き回る姿をイメージするが、火星は第二の地球になりえるのか?夢と希望に満ちたプロジェクトではあるが、残念ながら、人類にとって住みやすい環境とはいえなさそうだ。
■火星の大気を改造する
太陽系4番目の惑星である火星の自転周期は、約1.026日と地球に近い。地軸は25.2度傾き、楕円(だえん)軌道で公転しているので、季節の変化も楽しめる。直径は約半分、質量は10分の1とコンパクトながら、海がないので地球の陸地とほぼ同じ表面積を持つ。
しかし大気は地球の約160分の1しかなく、大半は二酸化炭素(約95%)が占め、人間に必要な酸素(0.13%)