【エンタメCOBS】もしも科学シリーズ(7)もしも火星で暮らすなら
労力と、自転や軌道への影響を考えれば、やらないほうがマシかもしれないが。
■人工地磁気で太陽風と戦う
宇宙服なしで火星の大地を闊歩(かっぽ)するには太陽風対策が必要だ。太陽から放出されるプラズマは、磁気圏に守られた地球では意識せずにいられたが、火星の磁力はわずかでこれを防ぐことができない。プラズマの正体は秒速300~500kmで降り注ぐ荷電粒子で、電子機器を故障させることもある。
太陽風が激化した太陽嵐では、地球で10億人規模の死者が出ると予測されているぐらいだから、地磁気の弱い火星ではひとたまりもない。
地球と同じぐらいの地磁気を作るには何が必要か?もっとも現実的な方法は、火星にコイルをめぐらせ巨大な電磁石を作ることだ。核融合科学研究所の資料によると、地球なら直径約12,600kmの赤道に巻いたコイルに4,000万A(アンペア)、北極/南極の両方に直径6,000kmのコイルを作って6,000万Aずつ流せば、現在の地磁気の「10%程度」を発生できるという。
合わせて1億6千万アンペア!!100%補うには16億A必要だから、単純計算で30A契約5,333万世帯の「電気なし生活」に相当する。