【雑学キング!】本当に「使える」ドラッグストアの見分け方
■白衣を着ている=薬をよく知っている、とは限らない!?
今回話をうかがったのは、某ドラッグストア在勤のY店長。旧知の仲で取材の話を持ちかけたところ「かなりぶっちゃけて話してもいいですか?」と快諾してくれました。
Y店長はまず、「資格制度自体の問題」について指摘されました。
「一番の問題は薬剤師、登録販売者、いずれも更新制度がない点です。
取得後はよほどのことがない限り資格は安泰。だから慢心する人が多いんだと思います。いくつかの大手ドラッグチェーンで店長を経験してきましたが、一般的な街のドラッグストアの薬剤師、登録販売者の中で、まともに勉強していた人は半数以下なんじゃないでしょうか」(Y店長)
これは自分の経験からもうなずけます。以前勤めていたドラッグストアでは、各メーカーが新商品などの勉強会を開いていましたが、弁当を食べたら寝ているなんて人も……。その中にはなんと薬剤師も!
勉強会ならぬ弁当会。最低です。
のちに、その薬剤師が店頭でお客に不適当な説明をしていたので、あとで「あれは違いますよ」と説明してあげたら、「お前は薬剤師に向かって何言ってんだ!」と激高されました。
「先生と呼ばれ続けることで妙なプライドばかりが育ち、肝心の『薬のプロ』としてのプライドはどこへ置き忘れてきたのやら……。
典型的なダメ資格者ですね」(Y店長)
■セルフメディケーションの第一歩は「白衣を着るべき人」に出会うことから
「ほとんどのドラッグストアには『推売品』などと呼ばれる『売りたい薬』があります。理由は簡単。もうけが大きいからです。でも、これ自体は悪いことではありません」
まさにY店長の言うとおりだと思います。要は「何でもかんでも推売品」となってしまう不勉強な資格者が困るわけですよね。「そうですね。だから薬を買うときは、お客さまからもご質問をしていただき、納得した上でお買い上げいただきたいです。そのほうが断然効果も上がりますから。
『この薬は効く!』という思い、そうしたメンタルな部分が実際の作用にも影響するのを何度も経験しています」
Y店長には、具体的に「白衣を着たこんな人はダメ」という例を挙げてもらいました。
●質問に対する返答があいまいで不明瞭(めいりょう)
「以前いたお店に、お客さまが何を聞いても、いかにももっともらしく『そうですねぇ、まぁ、人それぞれですからね』という返答の薬剤師がいました。『効果が出始めるのは?』『副作用は?』『これとこれだと自分にはどっちが合います?』等、どんな質問にも同じ返答。
たしかに体質や体調での個人差はあります。でも、そのときの病状を聞けば、大方の判断はつくものです」
●当たり障りのなさ過ぎる発言に終始する
「主に薬を使用した後の状況に対し、『よく寝て』『1日30品目食べなさい』『患部を清潔に』など、有資格者でなくとも言えるようなことばかりの人も要注意です。
例えば、ぎっくり腰でシップを買ったお客さまに対し、単に『安静に』だけでなく、できる人なら『通常なら数日から1週間程度で炎症が治まって痛みは引きますから、その後しばらく温シップを使って血行をよくしてあげると、再発防止にもなりますよ』などのアドバイスをしますね」
いかがでしょうか?こんな医薬品管理者のいる店でいいようにされないよう、店選びのスキルを身に付けること。そして、ツライ人の本当の味方になってくれる「まさに白衣を着るべき人」に出会うこと。それがセルフメディケーションの重要な第一歩です。
最後に、今回Y店長の話を聞いて思い出しました。自分がドラッグストア勤務のころ、絶対に言わなかったセリフを。
「ゆっくり寝てればよくなりますよ」
それができないからわざわざドラッグストアまで来て、薬買ってるんじゃん!
(OFFICE-SANGA 岩井浩)