シートはぐっしょりとぬれていた」といった、日本でも古典的な怪談話にそっくりであることがわかるでしょう。しかし、アメリカで流布された消えるヒッチハイカーが日本に到着し、それが改変されて、いわゆるタクシー話になったのかどうか? これは確認することができません。日本にも怪談話の素地があり、似た話が離れた土地で同じように作られ流布されたのかもしれません。それぞれの話の起源が特定できないのです。誰がいつ原形を作ったのか、また流布の経路、これをたぐることが極めて困難なのも都市伝説の特徴なのです。
■ベッドの下に誰かいる!
もうひとつ古典的な都市伝説を挙げてみましょう。
ある女性の部屋に友達が泊まりに来ました。夜も遅くなり、もう寝ようかという時間になって、友達が突然外に出ようと言います。
その女性はいぶかっていましたが、仕方がないので友達と一緒に部屋から出ました。すると友達が「実はベッドに下に男がいるのが見えた。警官を呼びに行こう」と言うのです。
友達が「コンビニに行こう!」と突然言い出したり、また男が隠れているのがクローゼットだったりとさまざまなバリエーションが存在するのですが、実はこの話はアメリカ生まれの都市伝説なのです。