【コブスくんのモテ男道!】かちかちチーズ、しなびたなす……。食材をよみがえらせるコワザ
糖尿病専門クリニックで食事の個人指導を行う、管理栄養士の西山和子(にしやま・かずこ)さんにその方法をお伺いしました。
■食材1しなびたなすをおいしく食べるには?
野菜室の中で少ししなびた感が出てきたなすを、しゃきっとよみがえらせることはできるのでしょうか。
「しなびたなすのへたを切り取り、水の入ったコップに、切り口を下にして半日ほど浸けておきます。蘇生したなすは、傷みが早いので早めに使いきってください。種の部分が黒くなってしまったなすは、みそ汁にしてさっさと食べきりましょう」(西山さん)
■食材2かちかちになったチーズにはブランデーをふりかける?
チーズはしばらく放置していると硬くなり、味を損ねてしまいます。
「硬くなったチーズは、密閉容器に入れてブランデーかウイスキーをふりかけます。ふたをして2~3日チルド室に置いておくと、柔らかく香り高いチーズになります。
チーズは一定した温度で乾燥しないように保存すると長持ちします。密閉容器に入れ、チルド室で保存するとよいでしょう。
また、硬くなったときは、細かく切って野菜といためて卵でとじ、イタリアンオムレツにすると食べやすくなります」(西山さん)
■食材3しなびたほうれん草には酢と砂糖?
葉の色が変わりかけてきた、へなへなのほうれん草を元気にするには?
「大きめのボウルに水を張り、酢と砂糖を各大さじ1ずつ入れます。そこにしなびたほうれん草を浸すと、酢の殺菌力と砂糖の浸透圧で、数分後にはしゃっきりとしてきます」(西山さん)
■食材4 大根おろしの辛さは調整可能?
大根の辛みの強さはさまざまですが、大根おろしの辛味を調整できる方法とは?
「辛みをおさえた大根おろしをつくりたいときは、皮を厚めにむき、おろす前に大根をぬるま湯に3~4分浸けておきます。それでも辛いときは、できた大根おろしに酢を少々落とします。
また大根にラップをかけ、ほんのり温まるくらいにレンジで加熱してからおろすと、甘みが引き立ち、辛さをおさえることができます。
おろし方によっても辛みを調整することができます。辛みを控えたいときは、『の』の字を書くようにして、ソフトな手つきでおろします。
そうすると、繊維を壊して水分がたくさん出るため、辛み成分が多く溶け出します。ざるで水気を切ってから食べましょう。
また、辛みがほしいときは、大根を直角に立てて力を入れておろします。おろした後の時間の経過でも辛みが変わり、3~7分後が辛いと言われています」(西山さん)
■食材5こちこちになったパンはフライパンで蒸し焼き?
ハード系もソフト系も、最後までパンをおいしく食べる方法とは?
「食パンが1枚だけ乾燥していたら、ほかのパンの間に挟んでビニールの口をしっかりと閉じます。乾いたパンにもほかのパンの水分が広がり、ふんわり感が戻ります。
フライパンを使う方法もあります。こちこちになったパンをフライパンに入れて、周りから少量の水を加えて弱火にかけます。ふたをしてしばらく蒸し焼き状態にすると、ふっくらとします。
フランスパンなどハード系のパンは、電子レンジで15~30秒加熱してから、オーブントースターで3~5分ほど焼きます。表面かりかり、中はもっちりの食感がよみがえります」(西山さん)
■食材6べちゃべちゃの天ぷらはコンロで焼く?
スーパーで買ってきた天ぷらを、レンジでチンしている人も多いはず。
「コンロに網を置いて、表面にちょっと焼き色がつくまで焼いてみてください。さくさく衣のおいしい天ぷらに生まれ変わります。オーブントースターで、海老の天ぷら2匹なら3~5分ほど焼くのもいいでしょう」(西山さん)
■食材7アボカドを切ったらまだ硬かったときは?
食材よみがえりとは違いますが、最後に西山さんからもう一つ、若いアボカドを食べやすくする方法のご提案です。
「切り口にレモン汁を塗り、断面だけにラップをかけます。バナナ1~2本と一緒に、密閉できるチャック付き袋に入れ、常温に置くと5日~1週間くらいで食べごろになります。
火を通す料理なら、スライスしたアボカドと豚肉、きのこなどの野菜を入れたいため物や、縦半分にカットしてとろけるチーズをのせ、オーブントースターで焼いたアボカドグラタンなどはいかがでしょうか」(西山さん)
さらに、西山さんはこうアドバイスを加えます。
「食材を無駄にしないためには、買ってきてすぐの冷凍庫保存がポイントです。野菜などはゆでて、1回分ずつラップして密閉袋に、パンやチーズなども乾燥しないように冷凍しておくと、風味も逃げずにおいしく食べられます」
水分を足すか減らすかで、おいしさを取り戻せる食材も多いようです。どれも簡単な方法なので、生ゴミだと捨ててしまう前に早速試してみませんか。
監修:西山和子氏。糖尿病専門クリニック勤務の管理栄養士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたっている。
(永瀬紀子×ユンブル)