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【コブスくんの使えそうな仕事術】タクシー運転手に聞く、会話の「間」をもたせる方法

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【コブスくんの使えそうな仕事術】タクシー運転手に聞く、会話の「間」をもたせる方法
初対面の人と話すとき、何を話していいのかわからず、ぎこちなくなって会話が途切れがちになる人も少なくないはず。そこで、初対面の人とも上手に会話をするタクシー運転手さんに、どんな話題から雑談を始めているのか、「間」ができたときにはどういうきっかけや話題で会話をスタートするのか直撃!タクシードライバー歴17年のAさんに、お話をうかがいました。

■初対面の人との会話における鉄板ネタは?

――タクシー運転手さんは、話好きが多い印象を受けます。実際そうなんでしょうか?

「たしかに雑談好きは多いですね。中には寡黙なドライバーもいますが、話好きのほうが売り上げを伸ばす傾向にあります。夜中なんかは、しゃべることで元気をキープして、睡魔を追い払っていますよ(笑)」

――お客さんと話すとき、どんな話題を振っていますか?

「一番多いのは天気の話題ですね。タクシーは降雨時に利用する人が多いので、自然な感じで『雨、すごいですね』と話しかけたりします。台風が上陸したときは、ラジオで聞いた情報を元に『今、○○に上陸したらしいですよ』とお客さんに伝えることもあります」

――たしかに天気の話は、初対面時には鉄板ネタですよね。


「天気は初対面でも絶対に共有できますからね。ほかにもカレンダー(正月、大みそか、祝日など)ネタとか、時事ネタとかが鉄板です」

――時事ネタは、どんな話をしますか?

「多いのがスポーツの話題です。ナイターの時間帯にラジオで野球中継を流していると、そのまま野球の話で盛り上がります。昔は、18~21時の時間帯は巨人や阪神の話で持ち切りでしたが、最近は少なくなってきました。野球人気の低下を、肌身をもって感じますよ。

あとはその日起きたタイムリーな出来事とか。総理大臣が代わったときに『○○首相、辞めましたよ』と言うと、『えっ!?』とお客さんが驚いて、その反応を見るのがちょっとした楽しみでもあります(笑)。

ほかにも、運転手個人の特性を生かしたトークをすることがあります」

――それは、どんな会話ですか?

「最近はタクシー業界も異業種から転職する人が多く、前にいた業界のコアなネタを話す人がいます。
私の知り合いには金融業界から転身した人がいて、よく株の話題で盛り上がるそうです」
■「聞き上手」は「話し上手」

――お客さんと話す際に心がけていることはありますか?

「できるだけポジティブに、と思いながら話しています。それとお客さんの答えには、必ず何かしらのリアクションをとっています」

――これは一般の社交の場でも同じですね。

「そうですね。結局、『話を聞く姿勢』を相手に示すことが、会話をもたせる一番の秘訣(ひけつ)だと思います。逆に話し手が一生懸命話を振っても、相手が『はぁ』とか、つれない態度をとったら、話を続けようとするモチベーションもなくなっちゃいますからね」

――でも、中には話しかけられたくない人もいますよね。

「長くやっていると、バックミラー越しに顔を見て『このお客さんは、話しかけないほうがよさそうだ』というのがわかってきます。そういう場合は、静かに車を走らせます。それも接客のひとつですからね」

■会話の「間」を恐れるな!

――ちなみに会話が途切れて「間」が生じることがあると思いますが、そんなときはどう対処していますか?

「これが答えとして適切かどうかはわかりませんが、私はできるだけ『間』を気にしないようにしています。
タクシーの車内だったら、会話が途切れたらそのままにしておき、信号や踏切待ちなどのタイミングで違う話題を振ったりします。

『間』を必要以上に気にすると、それを恐れて会話がしどろもどろになり、余計に『間』が生じやすくなりますからね。『どんな会話でも間は生じてしまうもの』と開き直ったほうが気楽に話せるんじゃないでしょうか」

――それでも会話の「間」を恐れることってありますよね?異性との会話とか……。

「それはもう、相手が興味ありそうな分野に詳しくなるとか、そういうのが一番じゃないでしょうか。タクシーの運転手も、売り上げを伸ばす人はこまめに新聞やニュースをチェックして、話のネタを増やしていますからね」

さすがですね。タクシー運転手さんは会話の達人。最後のほうは何だかタクシーとは関係なかったような気がしますが、さまざまな工夫で会話をしていることがわかりました。どうせお金を払って乗るなら、その会話術を盗んでみては?

(OFFICE-SANGA 春名晃平)

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