【雑学キング!】失恋にキク薬がある!? 漢方は「気」をコントロールする
■エネルギーは「目に見えない」のが当たり前
――結局、気が目に見えないからわかりづらいんですよね。
「でも、それは当たり前ですよ。エネルギーなんですから。太陽光や水(力)を利用した発電でも、太陽や水は見えますけど、それらから生じたエネルギー自体は当然目に見えません。
それと、心身にとってのエネルギーを『ごはんじゃないの?』という方もいますが……」(Yさん)
――それは違いますよね。だって「ごはん」と「人間」の関係は、例えていうなら「燃料」と「自動車」ですから。単に燃料を入れたって……。
「動きませんよ。動くには動くための、人間で言えば生命活動を行うためのプロセスを経て、燃料をエネルギーに変えなくては」
人間も飲食物から、気というエネルギーを生み出さなきゃ、生きていけません。
■フラれたら「気」が変になる
――気は、心臓や胃が動くといった自律神経系から、手足を動かすなどの体性神経系、さらには思考や情緒といった感情面まで、まさに人間の行動すべてにかかわっていますね。
「だからこそ、『生命の根源的エネルギー』なんです。中でも、気の変化にともなう感情・情緒の変化が分かりやすいでしょう。
例えば、彼氏・彼女とうまくいってれば気分がよく、多少の問題にもやる気をなくさず、元気で強気に取り組めます」
――でも、ちょっと相手の気持ちが離れると、途端に弱気になったり。あるいは相手に完全に気がない状態、いわゆる「フラれた」なんてことになったら……。
「ものすごく気がめいったり、気が迷ったり。もう気が気でない、いわば今までの気のエネルギーの状態が、フラれた瞬間、一気に大変化するんだから、心身のバランスはめちゃくちゃです。体は動かず、頭はまわらない」
つまり、失恋は気の存在をハッキリ意識できるイベントのひとつといえますね。
■「気」が見える時代が来る!?
――こういう話をしてもまだ、「でも目に見えないし、科学的じゃないし」という人はいます。
「自分の感覚・直感で感じたものが、信じられないなんて……。そういう人って、フラれたことがないんですかね(笑)。
ただ現在、気は、目に見える、科学的な存在になりつつありますけどね。ドイツで誕生した振動医学では、簡単にいうと、生体内の波動により、臓器や器官がそれぞれ特定の周波数を持つとされています。そして波動が弱まったり、滞ったりすると、身体各所の周波数にもズレが生じ、その度合いによって症状が出るという」
――つまり、気の波動が正常になれば、心身の不調が改善される。まさに東洋医学的ですね。
「今、ドイツでは、臨床の現場で振動医学を生かした治療が行われていて、また、波動を可視化する装置の開発も進められているようです」
気が目で見られる。そんな時代が来るんですかね。
■失恋に効果的な漢方とは?
――先に話した「失恋」ですけど、これって東洋医学的に考えると「気虚(ききょ:"気(エネルギー)"が不足の状態)」か「気帯、気逆(きたい、きぎゃく:いずれも気が正しく巡ってない状態)」、あるいはその複合型という状態ともとらえられますかね?
「そういう側面はあるでしょう。であれば、落ち込みがひどい人には気を補う人参メインの『補中益気湯』『人参養栄湯』とか」
――イライラがひどいなら、肝の気の流れを正常にする『抑肝散』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といったところですか。
「もちろん、その人の証(しょう:体質、性格などから判断する心身の状態の分類法)や伴う症状なども含めた総合的な判断になりますけど、漢方はメンタル症状にも強いですし、失恋で崩れた心身のバランスを回復させる一助にはなりそうですね」
つらく悲しい失恋も、漢方の力で気分が楽になるといいですね。
(OFFICE-SANGA 岩井浩)