わたしは、天気予報を見たことがない。
もちろん、テレビで映るのをぼんやりと遠くから眺めていたことはあるし、読み上げてくれる女性に「かわいいオネエサンだなあ」と見惚れたことは何度もあった。
だけど、自分から進んで天気を確かめたり調べたことはない。
それはきっと、まぶしく晴れていようと、うっすらと雲ががっていようと。もしも、ボタボタと雨粒が空から落ちていたとしても、特にわたしには関わりがないからなんだろう。
車には乗らないし、布団やクッションの類は、自宅にいるときにしか干さない。別に、どんな天気であっても、わたしは一向に構わないのだ。
なにより、わたしは、天気で気分を左右されたりしない。
そしてそれは、ファッションにしても同じことだった。
暑かろうが寒かろうが、いつだってわたしは着たいものを着る。もしも扉を開いて雨粒が顔にかかったら、傘をさして出かける。それだけの話なのだ。
■どうしても着たい服
そんな調子なので、いつも人から
「どうして、そんなに薄着なの!」
「雨の日に、なんて靴を履いてるの!」
などとばかり言われている。
だって、今日がこんなに冷えるだなんて。まさか夜からは雨が降るだなんて。