忙しない日々に、心を満たしてくれる日本の児童文学を。【TheBookNook #5】
これは別世界で無敵の救世主となりボスを倒す……というありがちな“冒険もの”ではありません。特別な力を持っていないのに試練を乗り越えていかなくてはならないという状況に、大人なら誰もが共感できると思います。
分かりやすく教訓的な物語と童話特有の“黒さ”が垣間見え、大人になっても楽しめる作品となっています。これぞ児童文学。“あとがき”にある皮肉ともとれる作者の言葉まで逃さずに読んでほしい一冊です。
■本を、安眠のお守りに
いかがだったでしょうか? 今回は数ある日本の児童文学の中から「名作」と呼ばれているものを三作品紹介させていただきました。
頭を使わずに心だけでも受け取れる児童文学は、物語でありながら、ときに、手紙のようにも感じられます。
どんな自分も受け止めてくれるお守りのような本が一冊でも心にあると、とても心強い気持ちになるものです。
いや、本でなくても構いません。歌でも、映画でも、なんでもいいんです。
ここにいる皆様が、今夜、安心して眠れますように。
■「TheBookNook」について
この連載は、書評でもあり、“作者”とその周辺についてお話をする隔週の連載となります。書店とも図書館とも違う、ただの本好きの素人目線でお届けする今連載。