ご褒美チョコと一緒に味わう恋の物語【TheBookNook #17】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
一年に一度のバレンタイン。皆さんの記憶にはどんなバレンタインの思い出がありますか? 私が物心ついたときには意中の相手へ想いを伝えるためにチョコレートを贈るという日本らしいバレンタインデーのスタイルが定着していましたが、時代と共にバレンタインチョコの種類も多様化しています。
皆さんは“自分チョコ ”をご存じですか ……? 別名“ご褒美チョコ”。
いつから浸透したのかわかりませんが、耳にしたことがある方も多いはず。私、この言葉が大好きなんです。嫌なことがあっても必死に歯を食いしばり、毎日を懸命に生きる自分の姿を知っているのは、他でもない自分”です。
そんな自分へ贈る「ご褒美」がチョコレートだなんて……可愛くないですか?
写真はイメージです
今回はいつも頑張る自分にご褒美チョコのような読書時間を……ということで、甘くて切なくてほろ苦い大人の恋愛小説を紹介させていただきます。
味わい深いチョコレートのように、一度読んだら忘れられない恋の物語をお楽しみください。
1.田辺聖子『言い寄る』
31歳、仕事は順調、言い寄ってくる男性も沢山いる。でも本命のあの人には言い寄られないし、言い寄れない。