主人公だけじゃない。印象深く残る脇役小説【TheBookNook #19】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
脇役に魅了されて……。
例えばシャーロック・ホームズでいうところのワトソン君のように、主人公ではないけれど物語になくてはならない登場人物っていますよね。脇役の主人公。
その他にも物語には数回しか登場していないのに印象的な一言で物語を大きく動かしたり、ときに主人公よりも読後記憶に残っている登場人物はたくさんいます。
写真はイメージです。
主人公に心奪われつつも、「いい味出してるなあ……」と印象深く残る脇役たち。物語のキーパーソンだったり、謎を深めるストーリーの転換として登場したり、いろいろな形で物語に重要な影響を与えます。
そう、きっとどの物語も、主人公の世界線を彩る個性豊かな“脇役”たちによって完成されているのです。
脇役がイキイキしていてこそ輝く物語もたくさんあります。
今回は、そんな物語を支える存在である欠かせない「脇役」に魅了される作品を紹介させていただきます。一度読んだ本も視点を変えて脇役に注目しながら読むと新たな発見があるはずです。
1.東野圭吾 『 名探偵の掟 』
探偵ものでは脇役とされがちな“警部目線”で描かれた本作品。全12章+2篇の短編で構成されています。