くらし情報『主人公だけじゃない。印象深く残る脇役小説【TheBookNook #19】』

主人公だけじゃない。印象深く残る脇役小説【TheBookNook #19】

王道ミステリー……かと思いきや登場人物自身がストーリーの設定やトリックに突っ込みを入れていくという斬新なスタイル。

こんな本があると世の推理作家さんたちが苦労するのでは……と余計な心配をしてしまうほど推理小説の裏側がさなざまな目線で描かれており、さらには“読者”という存在が物語の中で認識されているため、私たち安直な読者と物書きを痛烈に皮肉ってきます。

ミステリーにおける数々のお約束やあるあるネタが多く登場するので、ミステリー作品を読んだことがあればあるほど楽しめるかもしれません。クスッと笑える展開でありながら、ラストは喉元に刃を突き付けられたかの如くヒヤリとさせられました。勢いよく言い切るなら“面白い”の一言に尽きます。

後に出版された「名探偵の呪縛」は本作の続編でありながら、作風はガラッと変わり、“本格”推理小説に対する作者・東野圭吾氏の強い想いを感じ取れます。ぜひ続けて触れてほしい2冊です。メタフィクションって面白い。


2.伊坂幸太郎 『 ジャイロスコープ 』

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今作品は7つの物語で構成された短編集……いや、正確には6つとひとつ。最後の一篇はカーテンコールのようにこれまでの6篇から登場人物やそのモチーフが登場します。

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