くらし情報『本選びのすゝめ【講談社編】【TheBookNook #23】』

本選びのすゝめ【講談社編】【TheBookNook #23】

同情する点も多い少年少女ではあるが、共感はできない。いや、できなくて良かった。

毎行、予想とは違う角度から攻めてくる展開に、物語がどう繋がるのかが読めず、ページを捲る手が止まりませんでした。

もし、これらが身近で起きたとき、私は何を否定できるのでしょうか。そんな考えが頭をよぎった後、慌てて表紙を伏せました。表紙の彼女と目が合ってしまうような気がして。

3.似鳥鶏『推理大戦』

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アメリカ・ウクライナ・日本・ブラジル……。“特殊能力”をもつ名探偵たちが世界中が欲する“聖遺物”を賭けて「推理ゲーム」を行う、という少年漫画のような設定のこの作品。


個人的にはこのあらすじだけでかなり心掴まれました。たとえるなら、ミステリー版アベンジャーズ。各章で名探偵らのキャラクター造詣を深める謎解きがあり、それを踏まえたうえで終章で展開される多重推理には、言葉通り“酔い”しれました。もう、読むたびに推し探偵が変わってしまう自分が不安になるほど全員が魅力的なのです。ひとつの小説に留めておくのはもったいないほど。

聖遺物をめぐる大戦は、むしろサブ要素かもしれません。そして賛否両論覚悟で書いたとしか思えない衝撃のラストの展開に唸らされました。

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