本選びのすゝめ【幻冬舎編】【TheBookNook #25】
文:八木 奈々
写真:後藤 祐樹
出版社別で出会う本選びのすゝめ、第三弾。
今回は書籍の出版のみならず、企業ブランディングにも特化する「幻冬舎」さんの魅力をお届けさせていただきます。
※ 画像はイメージです。
誰もが一度は耳にしたことがありそうな村上龍さんの『13歳のハローワーク』や木藤亜也さんの『1リットルの涙』、他にも下村敦史さんの『同姓同名』など、さまざまな話題作を取り扱う「幻冬舎」さんですが、今回はそんな中でも比較的読みやすい“短編集”と“エッセイ”にジャンルを絞ってご紹介させていただきます。
ぜひ、「幻冬舎」さんにしかない魅力を味わってみてください。
1.益田ミリ『ちょっとそこまでひとり旅だれかと旅』
図書館で目にすると必ず手に取ってしまう益田ミリ氏の作品たち。ほのぼのとしたイラストや物語の中にもピリッとひりつく言葉が潜んでいて、毎度、本の厚み以上の満足感を得られるのが印象的。
一度読んだら忘れられないフレーズを私の中にもたくさん残しています。もちろん本作品も、一気読みでした。
「昨日まで知らなかった世界を、今日の私は知っている。」という一説から始まる、いわゆる旅エッセイですが、旅エッセイとは思えないほど俯瞰した角度から描かれていて、ワクワクしている感情の描写さえ、極めて冷静かつ、癖になる言葉たちで描かれていきます。