心のデトックスの形は人それぞれ。【TheBookNook #31】
青春小説のような顔をしながら、意識の隅にたしかにあった何かから容赦なく殴られるような痛みを感じさせてきます。
この物語の登場人物はみんな、心のどこかが壊れているのです。でも、それは普通のこと。この物語は、自分のことを“人魚”だと言い張る少女が、バラバラ死体になるまでの物語……。
正直、心の状態が健康な人にしかおすすめできません。途中で何度かもうここまでか……、もうダメかも、という瞬間があり、今振り返っても苦しくなるような200ページでした。こんなにもさらっと読めて、こんなにも辛く温かい200ページは初めてです。鬱展開ではあるものの、胸糞小説ではない。
痛みと愛を余すことなく書ききった名作。……好きって絶望だ。
■心を揺さぶられ涙して、最後に優しさが香る物語たち
今回は、私の涙腺を揺らした作品たちの中から、それぞれ角度の違う三作品を紹介させていただきました。
どれも苦しい、辛い、だけで終わらず、読後に優しさを感じることができます。周りの目を気にせず物語の世界に浸れることは素晴らしいことです。日常とは遠いところですっきりしたいときに、ぜひ。
■読書タイムのおともに
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