映画『セザンヌと過ごした時間』感想。芸術の秋におすすめ! 画家セザンヌと小説家ゾラの友情と創造の軌跡
やがてゾラは、1877年に出版した「居酒屋」が大ベストセラーとなり栄光の階段を上り、セザンヌは父親からの仕送りも断たれ、転落していきます。
何もかもが正反対の状況になってしまったふたり。
当然のようにギクシャクした関係となるのですが、ひたすら孤独に描き続けるセザンヌを支えたのは、ゾラの心のこもった手紙や援助でした。
しかし、1886年ある画家の悲劇を描いたゾラの新作小説「制作」が発表され、セザンヌとゾラの友情に大きな変化をもたらすことに……。
晩年、いかにセザンヌが近代画家の父と呼ばれるようになっていくのか、最後まで見逃せません!
■フランス実力派俳優ギヨーム・ガリエンヌとギヨーム・カネの熱き競演!
セザンヌには、自伝的な舞台を脚色・監督し2役で主演した『不機嫌なママにメルシィ!』がセザール賞作品賞を含む主要5部門に輝き、今やフランスで絶大な人気を誇る俳優ギヨーム・ガリエンヌが抜擢。
ゾラには、『君のいないサマー・デイズ』『戦場のアリア』のギヨーム・カネが、落ち着いた小説家ゾラの人物像を深みをもって繊細に演じ、フランス実力派俳優の熱き競演に心躍ります。
芸術家の喜びや苦悩をくっきりと浮かび上がらせ、セザンヌの絵画にも多く登場するサント・ヴィクトワール山などの南仏プロヴァンスの美しい風景、そしてパリに集う印象派の画家たちを見事に映像に再現して素晴しいです!
観ているだけで、印象派の絵の中に惹き込まれるような感覚になれる、アート映画の決定版ともいえる作品です。