金融業界の大物たちの素顔に迫った『世界最強人脈の知られざる裏側 スーパーハブ』
■スーパーハブと呼ばれる世界の金融業界を牛耳る大物たち
著者のサンドラ・ナビディは弁護士というエキスパートでありながら、時には金融業界のコンサルタントであり、インサイダーとして、あるいはオブザーバーとして世界の金融界のリーダーと接してきました。彼女はそうした金融業界の大物たちをスーパーハブとして定義し、財産とネットワークこそが彼らの強みだとしています。
1992年のポンド危機でイングランド銀行を負かしたヘッジファンドのジョージ・ソロス、JPモルガンのCEOジェイミー・ダイモン、元FRB議長ベン・バーナンキ、元米国財務長官ロバート・ルービンなど、世界経済を牛耳る大物たちのネットワーク=スーパーハブの世界にアクセスした筆者がその現実を描いています。
ジョージ・ソロスに代表されるような大富豪たちが「スーパーハブ」として機能し、ネットワーク全体とつながっている。それはたとえば、ダボス会議というスイスの山奥で開催される会議に出席できる一握りのスーパーエリートたちで、スーパーハブは、自らの位置によって他のスーパーハブへアクセスできるという「資産」を持っているといいます。スーパーハブによって、金融危機が救われた場合もある一方、金融緩和によって、圧倒的に貧富の格差が拡大したことも指摘しています。