夫の言葉が胸を打つ『コウノドリ』第2話――「ふたりで育てるんだよ。3人の人生だよ」
佐和子について、四宮(星野源)と白川(坂口健太郎)は32週まで赤ちゃんをお腹の中で育てるべきだと主張するが、サクラは28週で出産させて佐和子の治療をするべきだと主張する。28週で産まれる子どもは1500グラム未満でリスクも大きい。それでもサクラは不安がる佐和子に自分の想いを伝える。
「お母さんご自身の手で、赤ちゃんを育ててほしいからです」
『コウノドリ』のサクラは、不可能を可能にする天才産科医ではない。
28週で産むという主張も、今橋(大森南朋)率いる新生児科への信頼があってのことであり、佐和子らにも“想い”を押し付けるようなことはしない。それは不必要にサクラのクローズアップを使わない、抑制的なカメラワークにも表れている。サクラの考えの背後には、明らかに亡き母のことがあるのだが、いちいち回想シーンを挟んだりしてドラマチックに仕立てることもない。
こうした控えめなところが『コウノドリ』の良さだ。
■「ふたりで育てるんだよ。俺たちで、育てるんだよ」
サクラの言葉を聞いても佐和子の心は揺らいでいた。28週で産んだとして、自分が助かる保障はない。それなら32週まで胎内で育てて、赤ちゃんの安全を守りたい。