はテキスト的に優れていると考えます。なぜならその書体は
冷たくもなく
暖かくもなく
辛くもなく
甘くもなく
鋭くもなく
柔らかくもなく
智永の「千字文」には人間としての中庸さがあります。
次に進むためのこうあるべきという、指針のような法帖と言えるでしょう。
■天地玄黄宇宙洪荒
「天も地も世界はすべての色に満ち、もっと広い宇宙はあふれかえり、わきかえっている」
「千字文」の冒頭の部分です。広大な宇宙観です。天地は地球上のすべてのもの、また宇宙はそれをはるかに超えた世界です。
人間には越えられない壮大な世界です。
■コンプレックスは誰にでもある
人間にはそれぞれ個性があります。すべてが完璧な人間などいないのです。自分のいいところ、悪いところ、見つめていますか?ときどきでもいいので、自分のいろいろな面に心を向ける時間は必要です。
■書道は道とつくものです
道とつくものは書道、茶道、華道、武道などさまざまですが、道を学ぶとはどういうことなのでしょうか。
自分に向き合い、自分に足りないところは何だろうと考える。そして気づく。マイナスな面を補おう、中庸になろうと努力する。