『コウノドリ』6話~医者は大きな失敗を乗り越えるものじゃない
同様の言葉は、ドラマの終盤にも語られている。
失敗をリカバーして乗り越えるというのは、あくまで自分本位の行動だ。これが一般企業のサラリーマンなら、失敗を糧にして成長することは良いこととされ、周囲にも評価される。しかし、医療の世界はそうではない。医者の失敗はひとりの患者の生命に直結する。だから、失敗しないことが何よりも重要になるのだ。自分の成長は二の次。自分本位の行動ではなく、患者本位の行動が何よりも必要とされる。
では、下屋はどうすればいいのだろうか?ひとつはチームを頼ること。もうひとつは次のために入念な準備だ。
■医者に必要な「チーム」と「準備」
ペルソナ総合医療センターの産科のチームは本当に温かい。休みを取っていた下屋が出産の現場にいきなり戻ってきたときも、誰も非難めいた顔をしなかった。サクラは一瞬「よく帰ってきたね」と言わんばかりに微笑んでみせている。
サクラはいつでも良き先輩として振る舞っている。「救命科へ行きたい」という下屋の申し出を聞いたサクラは、自分の考えを伝えた後、「うん、いいんじゃないか」と笑顔で送り出す。「非難するな・認めよ・相手の欲しがるものを理解せよ」