”衝撃の40分”から目が離せない! 『デトロイト』が描く歴史に埋もれた戦慄の一夜 古川ケイの「映画は、微笑む。」#35
のリード・シンガーのラリー。メンバーの弟のフレッド。
モーテルに滞在していたふたり組の白人の女の子、ジュリーとカレン。
ベトナム帰りの復員兵グリーン。
ふざけてオモチャの銃を撃ったカールの仲間のリー、オーブリー、マイケル。
彼ら全8人を、クラウスは1階の廊下に整列させる。
モーテルのどの部屋からも銃が見つからないことに苛立つクラウスは、8人に執拗な暴力を加え始める。クラウスによる過激な尋問はいっそうエスカレートし、モーテルに新たな惨劇を引き起こし……。
◼︎監督は女性初のアカデミー監督賞受賞者キャスリン・ビグロー
この衝撃作のメガホンをとったのは、女性初のアカデミー監督賞受賞者でもあるキャスリン・ビグロー監督です。
1951年、カリフォルニア州サンカルロスに生まれたビグロー監督は、フィルムスクールで修士号を取得すると、83年に長編デビューします。
91年の『ハートブルー』や、02年の『K-19』など多数の作品を発表し続けると、08年に約1500万ドルの低予算で製作した『ハート・ロッカー』が世界的に絶賛されました。イラク戦争の爆発物処理班に所属する米軍兵士を描いた同作品は、アカデミーで作品賞・監督賞を含む6部門を受賞します。