岡田将生「人と人とのバランスを楽しみながら、自分を知っていく」――自分らしさのヒント
きゅっと口角の上がった笑顔がまぶしい。
「でも笑顔はあんまり好きじゃないんです。って言っても、超笑ってますよね。いまも笑ってる」と、照れくさそうに微笑む。
思わずまじまじと見つめてしまうほど端正な顔立ちなのに、やわらかい表情と言葉が、ぐっと彼を近くに感じさせた。
誰もが傷つきたくないけれど、誰かを傷つけている
そんな岡田将生が、うるわしいルックスをフル活用して挑んだのが、映画『伊藤くん A to E』の「伊藤くん」役だ。1月12日に全国165スクリーンで封切られた今作は「登場人物、全員無様!」というキャッチコピーが、胸をざわざわさせる。
かつての売れっ子脚本家・矢崎莉桜(木村文乃)は、伊藤というどうしようもない男について悩む、A~Dの4人の女性からの恋愛相談をヒアリング。
新作脚本のネタにしようと話を聞き続けるうち、偶然にも「女たちが語る伊藤は同一人物?」と気づく。しかも伊藤は、莉桜が主宰するシナリオスクールの生徒だった。やがて莉桜は、みずからも「5番目の女=E」として伊藤に翻弄されていく。
自己中で無神経な「伊藤」の言動。
しかし、伊藤として過ごす時間が増えるにつれ、演じる岡田には不思議な感情が芽生えはじめる。